1972 Terry Dolan – Terry Dolan

1972 Terry Dolan - Terry Dolan
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1971年4月24日、サンフランシスコ・エグザミナー紙(the San Francisco Examiner)は「レコードにはなっていないヒット曲」と題した記事を載せた。「レコードを作らずにヒット曲を出した。不可能なことを成し遂げた。」と書かれたその記事は、地元の未契約ミュージシャン、テリー・ドーラン(Terry Dolan)についてであった。ドーランの曲”Inlaws and Outlaws”がアンダーグラウンドFM局でくり返し流れた。ドーランは注目され、ワーナー・ブラザーズ(Warner Brothers)と契約を結ぶ。ところがドーランのアルバムはお蔵入りになってしまう。その後、ドーランのアルバムが陽の目を見るのは、実に44年後になるのである。

「もしも1972年にテリーのアルバムが世に出ていたら、テリーのキャリアはどうなっていたんだろう?」とマイク・ゾマヴィラは言った。

ゾマヴィラはサンフランシスコ住民であり、音楽のエキスパートとして、音楽を愛する者として、27年間、テリー・ドーランの幻のアルバムについて、思い巡らしてきた。リリースするために力を尽くしていた。「昔、テリーは私にカセットをくれました。1987年にベイエリアに引っ越したときには、彼は私にオリジナルのテストプレスをくれました。 それは、サンフランシスコの音楽シーンから失われた、聖杯を手に入れた瞬間でした。それ以来、私はテリーのアルバムをリリースするという大志を抱いたのです。」とゾマヴィラは言った。

ドーランの聖杯は、ニッキー・ホプキンス(Nicky Hopkins)と、ピート・シアーズ(Pete Sears:ロッド・スチュワートの初期の作品に特化したマルチ・インストゥルメンタリスト)、そして70年代の西海岸のミュージシャン、グレッグ・ダグラス(Greg Douglass)、プレーリー・プリンス(Prairie Prince)、ジョン・シポリーナ(John Cipollina)、ニール・ショーン(Neal Schon)などのスターキャストと共同制作された。

今、聴いてみると、このアルバムは、レオン・ラッセル(Leon Russell)の『Carney 』、エルトン・ジョン(Elton John)の『 Honky Chateau 』のような古典を思い起こさせる。ソウルフルなシンガーソングライターのコレクションは、エネルギッシュなアレンジと、ドーランのパワフルなテナーによってもたらされる、ロックとゴスペルの筋トレのようだ。

テリー・ドーランはコネチカット州で生まれ育った。14歳でギターを弾くようになり、ハンク・ウィリアムズ(Hank Williams)とレッドベリー(Leadbelly)の曲にどっぷり浸かり吸収した。60年代初頭のフォーク・シーンに触発され、テリーは音楽を追求するために大学を中退した。そして1965年にサンフランシスコに移り住んだ。

1960年代半ば、サンフランシスコのミュージック・シーンは急速に盛り上がり、「西のリバプール」と呼ばれた。

ロンドン生まれのピート・シアーズは、ドーランの共同制作者であり、1968年にサンフランシスコに移った。「新しいフロンティアのようだと感じたんだ。 辺り一面がフォークミュージックの時代の波に乗っていて、自由で個性的だった。 湾の隣では、夜遅くまでクラブを営業していて、ミュージシャンのコミュニティだったよ。 何でもありの雰囲気で、バンドだらけだった。」とシアーズは言った。

ドーランは「フォークにはやさしく、ハードロックでは柔らかすぎる」と冗談を言っていた。が、1970年には、マトリックスやキーストーンコーナーのようなクラブで、東海岸のコーヒーハウスの繊細なバラードに、西海岸のエネルギッシュなジャムセッションをミックスさせたサウンドを作った。

ダグラスはホプキンスとのデモセッションで重要な役割を果たし、ワーナーズ(Warners)とレコード契約を結んだ。
リリースに向かって、物事は着実に進んでいたある日、ニッキーが、ローリング・ストーンズのアメリカツアーに参加することになった。誰もがニッキーの時間と才能が欲しかった。

ニッキー・ホプキンスの完全参加がなければ、商業的な成功の見込みはないと判断したワーナー・ブラザーズは、わずか発売2か月前に、レコードのリリースをキャンセルした。
それに対して、テリーは反論できなかったという。

「それでもテリーは失望を乗り越え、音楽を作り続けた」とゾマヴィラは語る。彼のバンド”Terry and The Pirates”(グレッグ・ダグラスとジョン・シポリーナを含む)は、1980年代にかけてサンフランシスコのミュージック・シーンの 主流であり、インディーアルバムを何枚かリリースした。1989年に、ゾマヴィラはテリーと友情を結んだ。その際、アルバムの権利を取り戻すつもりだとテリーに伝えた。

最初にワーナーズに連絡したとき、彼らは私を無視した。時間が経つにつれて、無視されることが我慢できなくなった。High Noon Recordsのジョージ・ウォレス(George Wallace)は、素晴らしいレコードを世に出したいと曲を探していた。そこで私は彼にテリーのテストプレスを聴いてもらいました。ウォレスは曲の出だしで恋に落ちてしまった。そして私たちは弁護士を雇った。それから私の夢はついに叶った。

長い時を得て、ついにテリー・ドーランのアルバムは日の目を見た。サイケ・カントリーとブルースの味わいがある素晴らしいクラシックロックのアルバムは2016年11月にリリースされた。

テリー・ドーランは2012年に心不全で亡くなったため、残念ながら、アルバムのリリースを見ることはできなかった。しかし、彼の妻アンジーと、スタジオ・ミュージシャンがマイク・ゾマヴィラと共に、幻のアルバムの旅立ちを祝った。

「1992年以来、さまざまなアーティストのために43件のレコードを手がけてきました。私はそれぞれのレコードを誇りに思っていますが、テリーのアルバムは最高水準です。彼のおかげで私はビジネスをスタートしました。私はテリーの作品を世に送り出すことができました。とてもうれしくて、本当に満足しています。」とゾマヴィラは言った。

Written by Marios

【曲目】

1. See What Your Love Can Do
2. Angie
3. Rainbow
4. Inlaws And Outlaws
5. Purple An Blonde…?
6. Burgundy Blues
7. Magnolia
8. To Be For You
9. Inlaws and Outlaws – Take 18
10.See What Your Love Can Do – Take 14
11.Angie – Take 12
12.Rainbow – Take 2
13.See What Your Love Can Do – Take 12
14.Inlaws And Outlaws – Dirt Leg Mix

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1972 Terry Dolan – Terry Dolan SKU UPC Model
今まで、知らなかったテリー・ドーランの幻のアルバムが2016年に再発された。サウンドは、ブルースを基本
山内さん 

52歳  |  
沖縄県  |  
歯科医  |  
2017/4/28
5

今まで、知らなかったテリー・ドーランの
幻のアルバムが2016年に再発された。
サウンドは、ブルースを基本としながら
1970年代初期の、エリック・クラプトンや
デラニー&ボニー、デュアン・オールマン、ザ・バンド
のサザンロックのにおいがプンプンする佳作です!
少し重ための、ピアノバラッドはレオン・ラッセルみたいにも感じます。

聴いたきっかけ:再発されると知ったので
5.0 5.0 1 1 今まで、知らなかったテリー・ドーランの幻のアルバムが2016年に再発された。サウンドは、ブルースを基本としながら1970年代初 1972 Terry Dolan – Terry Dolan

1972 Terry Dolan – Terry Dolanのメンバー

Terry Dolan – Guitar, Vocals
John Cipollina – Guitar, Slide Guitar
Angie Dolan – Handclapping
Greg Douglass – Guitar, Soloist
Spencer Dryden – Percussion
Mic Gillette – French Horn
Nicky Hopkins – Arranger, Piano
Kathi Mcdonald – Vocals
The Pointer Sisters – Vocals
Prairie Prince – Drums
Neal Schon – Guitar, Soloist
Pete Sears – Bass, Guitar, Keyboards, Piano
Lonnie Turner – Bass, Wind Chimes
David Weber – Drums
Dallas Williams – Vocals

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