1972 Leon Russell – Carney

1972 Leon Russell - Carney
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レオン・ラッセル(Leon Rusell)の音楽には、ポップスターとしての日々の苦難、変遷が力強く表現されている。

映画『8 1/2』のモチーフは決して新しいロックというわけではないが、ポップスターという立場上仕方ない良い面と悪い面の両面性を、彼ほどスマートに、また鋭く形にしたミュージシャンはいない。

1972年発売の4thアルバム『Carney(カーニバルの客引き)』はレオンの作品の中でも間違いなく、最も穏やかで私的な作品と言える。

一番激しいロックの ⑥”Roller Derby” でさえ、初期の“Roll Away the Stone” や“Pisces Apple Lady”と比べると穏やかに聞こえる。

映画『8 1/2』のように、このレコードは内面的モノローグ同様、現代社会の小さな醜い部分を表していると言える。

③“Me And Baby Jane”では失敗に終わった初恋を描き、⑨”If the Shoe Fits”ではある有名な読み物から不正をする人達を攻撃し、アサイラム・クワイア(Asylum Choir)のナンバーのような①”Tightrope”では、本当にパフォーマンスを続けるべきか否かという迷いが描かれている。

レオン・ラッセルのなめらかでゆっくりとしたボーカルは、喜びに満ちている。

“Tightrope”やダブルトラックボーカルの②”Out In The Woods”の音には適度な緊張感があり、④”Manhattan Island Serenade”や⑪”This Masquerade”は、マット・デニス(Matt Dennis)曲、アール・ブレント(Earl Brent)詞の“Angel Eyes”のような美しいメロディであり、大胆かつ控えめな優しさが表れている。

初のソロアルバムに収録され、これまでの彼の作品で最も胸を打つ歌詞となっている”A Song For You”は、彼の声と表現力がすんなりと耳に入ってくる。

スケールの大きな「ゴスペル的なナンバー」を好むレオンの趣向を考慮して、演出は控えめになっている。

シェルターレーベル(Shelter)のメンバーによるバック演奏(ラッセルのいつもの決まったメンバーであると思われるかもしれないが)は絶妙で、特にジョン・ギャリー(John Galllie)のオルガンワークがいい味を出している。

映画『8 /1/2』の登場人物のグイド(Guido)のように、レオン・ラッセルは「孤独なゲーム」を続けるであろう。

彼が完璧なスキルと知恵をもって挑み続けてきたことは言うまでもないが、「孤独なゲーム」それこそが彼にとって欠かせないものなのである。

おそらく1972年に発売された今作『Carney』は、そのアレンジやデザインなど、格好良くするためのクリエイター側の計算が施されているに過ぎない。

しかし彼のアルバムを聞いた人は、彼の作品に携わった誰よりも、レオン・ラッセルが醸し出すウィットや魅力、率直さを感じることができるだろう。

Written by Marios

【曲目】

1. Tight Rope
2. Out In The Woods
3. Me And Baby Jane
4. Manhattan Island Serenade
5. Cajun Love Song
6. Roller Derby
7. Carney
8. Acid Annapolis
9. If The Shoe Fits
10.My Cricket
11.This Masquerade
12.Magic Mirror

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1972 Leon Russell – Carneyのメンバー

Leon Russell – Vocals, Guitar, Bass, Piano
Don Preston – Guitar, Vocals
Joey Cooper – Guitar
Carl Radle – Bass
Chuck Blackwell – Drums
Jim Keltner – Drums
John Gallie – Organ

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