1966~1967 The Mystery Trend – So Glad I Found You

1966~1967 The Mystery Trend - So Glad I Found You
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ジェファーソン・エアプレインやグレイトフル・デッドが、1960年代中頃のサンフランシスコシーンのロック全盛期におけるビートルズ(the Beatles)やローリング・ストーンズ(the Rolling Stones)のような双頭勢力だとしたら、今回紹介する「ミステリー・トレンド(the Mystery Trend)」は、職人のような技術を持ち合わせ、上質なポップスを奏でるゾンビーズ(the Zombies)もしくはレフト・バンク(the Left Banke)といったところであろう。

他のバンドに先駆けて、ミステリー・トレンドは、サンフランシスコ・ベイエリア(the Bay Area)の最初のオルタナティブ・ロック・グループとして1965年5月にデビューを果たした。

他の地域の元フォーキーやビートニクと違って、キーボードリストでもありソングライターでもあるロン・ナグル(Ron Nagle)率いるこのグループは、ジャムセッションや他のバンドの自由な形式とは異なる簡潔なアレンジスタイルを有していた。

ナグルは彼らより年上で、アートスクール出身というバックグラウンドを持っていた。

「僕にとって当時のサンフランシスコの音楽はつまらないものだった。みんなこぞって自己満足にすぎないサイケデリックなサウンドに夢中になっていた。

3分間のポップソングを演奏するなんてダサいだろう。」とナグルは語っている。

ナグルとギタリストのボブ・カフは、マトリックス(the Matrix)(クラブ)やフィルモア(The Fillmore)(ライブ会場)にいるようなアンダーグラウンド文化に傾倒している人々に向けて、①”Carl Street”や③”Words You Whisper”のような素晴らしい曲をいくつも書き上げた。

結果的にミステリー・トレンドは、奇抜なポップ・ガレージ・ロックの少し変わったメンバーの集まりと見なされることになる。

そんな彼らがパフォーマンスを行うことはまれであり、ライブより酒という始末であった。

1967年の終わり、周りのミュージシャンが次々とメジャーレーベルと契約する中、ミステリー・トレンドは静かに解散を迎える。ナグルはアルバム『Bad Rice』をリリースに着手する。その後、彼は世界に名の知れた陶芸家になるべく新たな道を歩き始めるのである。

ミステリー・トレンドの唯一のレガシーとなるレコードは、1967年のシングル④”Johnny Was A Good Boy”である。

しかし何年もの間、キングストン・トリオ(the Kingston Trio)のマネージャーであったフランク・ウェーバーのトライデント・プロダクション(Trident Productions)で収録された未発表のアルバムが存在するのではないかという噂が流れ続けていた。

『So Glad I Found You』 は、このバンドがそれまでやってきたことを表したアルバムであり、見事な要素がちりばめられている。

ラヴィン・スプーンフル(The Lovin’ Spoonfu)を彷彿とさせる⑦”Ten Empty Cups”や⑤”One Day For Two”は、彼ら本来のポップスの感性がよく表れている。

ファズトーンを効かせ、神経質な雰囲気の⑧”Mercy Killing”や⑯”What If I”などとは対照的である。スマイリー・ルイス(Smiley Lewis)の⑫”Shame Shame Shame”やザ・フー(the Who)の⑩”Substitute”などの様々なカバー曲も収録されており、また重厚なボサノヴァ⑨”Mambo For Marion”や、隠れた傑作②”So Glad I Found You”も忘れてはならない。

ミステリー・トレンドのスタジオ・レコーディングとマスターテープのクリアなステレオサウンドに加え、ミステリアスな⑰”Wake Up Cryin’”やラリー・ウェスト(Larry West)のギターが素晴らしい⑱”Lose Some Dreams”など『So Glad I Found You』には生き生きとしたデモカットも含まれており、バンドのユニークさがよく表れている。

また通常の写真などと共に、バンドメンバーの再結成について解説している詳細なスリーブノートが添えられている。

この待望のコンピレーショアルバムは、1960年代のサンフランシスコのみならず、一般的なポップ・ミュージックの歴史においても、重要な一時代が終わったことを表している。

Written by Marios

【曲目】

1. Carl Street
2. So Glad I Found You
3. Words You Whisper 
4. Johnny Was a Good Boy
5. One Day for Two
6. Carrots on a String 
7. Ten Empty Cups
8. Mercy Killing 
9. Mambo for Marion
10.Substitute 
11.There It Happened Again 
12.Shame, Shame, Shame
13.House on the Hill 
14.From the Collection of Dorothy Tate 
15.Carrots on a String (audition version) 
16.What If I
17.Wake Up Cryin’ 
18.Lose Some Dreams 
19.Empty Shoes 
20.Let Me See with My Eyes
21.Carl Street (audition version)

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1966~1967 The Mystery Trend – So Glad I Found Youのメンバー

Larry Bennett – Bass
John Luby – Drums, Vocals
John Gregory – Guitar
Ron Nagle – Vocals, Clavinet, Piano, Organ
Bob Cuff – Vocals, Guitar
Larry West – Guitar (Tracks 17-19)

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