1965 Dion – Kickin’ Child / The Lost Album

1965 Dion - Kickin’ Child / The Lost Album
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1965年、ディオン(Dion)とキーボード奏者アル・クーパー(Al Kooper)が加わったバンド:ワンダラーズ(The Wanderers)は、プロデューサーのトム・ウィルソン(Tom Wilson)と共にディオンのファーストアルバムの制作に取りかかっていた。

しかしコロムビア・レコード(Columbia Records)がそのレコードをリリースすることはなかった。おそらくそのアルバムがフォークロックテイストで、レーベル側がディオンに求めていたポップスでなかったからか、もしくは単にヒットとなりそうな曲がないと判断したからであろう。

それから50年以上経ち、『Kickin’ Child』はついにロックンロール・インディーズ・レーベルであるノートン・レコード(Norton Records)からリリースされた。

このアルバムは、当時を象徴するボブ・ディラン(Bob Dylan)の『Bringing It All Back Home』やサーモン&ガーファンクル(Simon & Garfunkel)の『The Sound of Silence』(両曲ともウィルソンによるプロデュース)を彷彿とさせる。また②”Now”と⑥”Time in My Heart for You”では、クーパーのオルガンが効いており、ディランとの作品を思い起こさせる仕上がりである。

タイトルカットでもある①”Kickin’ Child”は、それこそディラン風であり、ワードプレイの効いたリズミカルなナンバーである。ディオンのボーカルもディランの雰囲気を醸し出している。アルバム収録曲のうち10曲はディオンのオリジナルであるが、3曲はディランの曲のカバーとなっている。⑭”It’s All Over Now, Baby Blue”もそのうちの1曲であるが、ディオンのソウルフルなボーカルがいい味を出している。

ディオンのファーストアルバム『Kickin’ Child』には、彼らの曲”Jump Back Baby”のような堂々としたブルース⑨”Two Ton Feather”や、チャーリー・バード(Charlie Byrd)のようなテイストを帯びているトム・パックストン(Tom Paxton)の美しいトラック④”I Can’t Help But Wonder Where I’m Bound”、⑧”Baby, I’m in the Mood for You”など、成熟した曲も含まれている。これらの大人っぽい曲が、ディオンのティーンエイジャーのラブソングのような曲とミックスされて良い仕上がりになっている。

『Kickin’ Child』 を聞くと、なぜコロムビア・レコードがこの作品をリリースしなかったのか不思議である。またディオンが当時のフォークロックの波に乗っていたらどうなっていたのだろうとも考えてしまう。

スコット・ケンプナー(Scott Kempner)がライナーノート(解説ノート)で指摘しているように、『Kickin’ Child』は、ディオン当初のヒット曲”The Wanderer”や”Rudy Baby”と1968年の”Abraham, martin & John”とをつなぐアルバムとなっている。またディオンがこれまで携わってきた作品(ありがたいことにそれらはまだ色あせていない)の中でも一番の出来であると言える。

Written by Marios

【曲目】

1. Kickin’Child
2. Now
3. My Love
4. I Can’t Help Wonder Where I’m Bound
5. Wake Up Baby
6. Time in My Heart for You
7. Tomorrow Won’t Bring the Rain
8. Baby I’m in the Mood for You
9. Two Ton Feather
10. Knowing I Won’t Go Back There
11. Farewell
12. All I Want to Do is Live My Life
13. You Move Me Babe
14. It’s All Over Now Baby Blue
15. So Much Younger

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1965 Dion – Kickin’ Child / The Lost Albumのメンバー

Dion DiMucci – Vocals, Guitar
Johnny Falbo – Guitar
Pete Falsciglia – Bass
Carlo Matstrangelo – Drums
Al Kooper – Keyboards

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