1970 Juicy Lucy – Lie Back And Enjoy It

Juicy Lucy - Lie Back And Enjoy It
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「ジューシー・ルーシー(Juicy Lucy)」の2ndアルバム『Lie Back And Enjoy It』は、デビューからたったの10ヶ月の1970年にリリースされた。

1stアルバムが作られてから、メンバーの半分が脱退したり他のメンバーに代わったりしていることを考えると、この作品は素晴らしい出来であると言える。

ズート・マネー(Zoot Money)、エインズレー・ダンバー(Aynsley Dunber)、ボーカリストのポール・ウィリアムズ(Paul Williams)、ドラムのロッド・クームズ(Rod Coombes)、そして若きスライドギタリスト、マイケル・’ミッキー’・ムーディー(Michael ‘Micky’ Moody)らの呼びかけで、ギターのグレン・ロス・キャンベル(Glenn Ross Campbell)、ベースのキース・エリス(Keith Ellis)、サックス/キーボードのクリス・マーサー(Chris Mercer)らが参加する。

ムーディーは、それまでトラムライン(Tramline)というバンドに所属し、20歳という若さですでに2枚のアルバムをリリースしていた。

アルバム8曲中5曲を書いた(そのうち3曲はソロ)新しいボーカリストであるウィリアムズの起用は、バンドに大きなインパクトを与えた。

そのひとつが1曲目の①”Thinking Of My Life”である。激しい序奏のキャンベルとムーディーのコンビネーションはしびれるようで、ウィリアムズのジョー・コッカー(Joe Cocker)にも似たボーカルは、バンドが目指していた力強いブルースを表現している。

ウィリー・ディクスン(Willie Dixon)によってカバーされた”Built For Comfort”でもそれを感じることができる。

こちらもウィリアムズのソロである③”Pretty Woman”は、アルバムからシングルカットされた曲で、キャンベルのラップスチールギターとムーディーのボトルネックギターがおもしろくミックスされている。

シングルB面の”I’m A Thief”は、ボーナストラックとしてCDに追加された曲だが、これがまた素晴らしい!シンプルなピアノリフ、うだるようなサックス、そして多数の女性のバックコーラスがいい味を出している。

④”Whisky In My Jar”は、ムーディーの素晴らしいギターソロで生き生きとした仕上がりとなっている。⑤” Hello LA, Goodbye Birmingham”は、ディレイニー・ブラムレット(Delaney Bramlett)のカバーであり、この曲でバンドは新たなレベルに達したと言える。

曲のタイトルが明らかにアメリカアラバマ州バーミングハム(Alabama, Birmingham)を指していると思われるが、バンドはきっと(レコーディングをした)イギリスのバーミンガム(England, Birmingham)のことを想っているに違いない!とついつい思ってしまう。

繰り返すが、ムーディーのギタープレイがこの曲のハイライトであると言える。⑥”Changed My Mind”は、バンドの最初のイメージを引き継いでいると言えるが、この曲はもしかしたらシングルB面の”I’m A Thief”と差し替えられるべきだったかもしれない。カントリー調のなにげない曲で、残りのアルバム収録曲と比べると印象が薄い。

⑦”That Woman’s Got Something”はより深く、より伝統的なブルースである。二人のギタリストと他の楽器がうまく調和しており、クームズのパーカッションもいい味を出している。続くフランク・ザッパ(Frank Zappa)バージョンの⑧”Willie The Pimp”は、長年にわたって人々の賛否が分かれるナンバーとなっている。

個人的には、オリジナルバージョンよりこちらの方が良い仕上がりだと思う。ウィリアムズのキャプテン・ビーフハート(Captain Beefheart)のようなボーカルとムーディの力強いソロ、マーサーの完璧なサックス、特にドラムの短い間奏に続くコーダ(終結部)は秀逸である。

タイトルトラックでもあるウィリアムズが書いた⑨”Lie Back And Enjoy It”は、短いピアノ曲であり、静かにアルバムを締めくくっている。

『Lie Back And Enjoy It』は、アーティストがどんな形であれ自身を自由に表現できる時代、それが時ににシングルヒットになり得た時代の作品としてエソテリック(Esoteric)レーベルから再リリースされている。それにしても素晴らしい出来である!

Written by Marios

【曲目】

1. Thinking of My Life
2. Built for Comfort
3. Pretty Woman
4. Whisky in My Jar
5. Hello L.A., Bye Bye Birmingham
6. Changed My Mind
7. That Woman’s Got Something
8. Willie the Pimp
9. Lie Back and Enjoy It

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1970 Juicy Lucy – Lie Back And Enjoy Itのメンバー

Glenn “Ross” Campbell – Guitar, Mandolin, Vocals
Rod Coombes – Drums, Percussion
Keith Ellis – Bass
Chris Mercer – Keyboards, Saxophone
Micky Moody – Guitar
Paul Williams – Keyboards, Percussion, Vocals

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