1967~1968 The Millennium – Pieces

1967~1968 The Millennium - Pieces
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「ザ・ミレニアム(The Millennium)」は、リー・マロリー(Lee Mallory)、サンディ・サリスベリー(Sandy Salisbury)、ジョーイ・ステック(Joey Stec)といった1960年代半ばに、ロサンゼルスで成功を収めたソングライターとミュージシャンで結成されていた。

彼ら全員がカート・ベッチャーとゲイリー・アッシャーと共に以前に活動しており、コロムビア・レコード(Columbia Record)史上最大のレコーディング収益となり得る作品をつくり上げる能力があることを彼ら自身が証明していた。

その結果が1968年のアルバム『Begin』である。

ビーチ・ボーイズ(The Beach Boys)を除くと、おそらくこのアルバムはロサンゼルスの1960年代ポップスの最高傑作であったが、あの時代には受け入れられなかった。

『Begin』が失敗し、ミレニアムはコロムビア・レコードから解雇されてしまう(その数年後、完璧とも言えるレコードが出来上がる)。

ミレニアムとしてはさらにアルバムを作ろうと意気込んでいた。『Pieces』はそんな彼らのデモ曲を集めたアルバムである。

ミレニアムやその他のベッチャーの作品に通じている人は、『Pieces』にはコンピレーションアルバムにもれたトラックが多く含まれているが、それらの多くが『Again』より前にリリースされた曲だということに気づいたと思う。

これらの曲ほぼすべてが、アソシエイション(The Association)やビーチ・ボーイズのようなパーフェクト・ポップスや、バーズ(The Byrds)のようなカントリー・ロックを求めるリスナー向けの曲となっている。

⑤” I Just Don’t Know How to Say Goodbye”は、それらのアーティストテイストを完璧に表現しており、メロディとサリスベリーの優しいボーカルが良い味を出している。音階が上がるメジャーキーのギターとフォークの要素があふれるこの曲は、1968年のサリスベリーのソロLPに収録されている。

⑦”Can You See”は、ジョーイ・ステックとマイケル・フェンネリー(Michael Fennelly)による作品の一つで(彼らは『Begin』にも収録されている②”To Claudia on Thursday”にも大きく貢献している)、典型的なアップビートのサニーチューンとなっている。失恋の悲しみをつづったしっかりとした歌詞でなければ、モンキーズ(The Monkees)の曲といってもわからないかもしれない。

⑧”How Much I Love You”は、落ち着いたアコースティックバラードで、この曲もステックとフェンネリーによるものである。ひどく物悲しげでもあり、また別の分野でもヒットとなり得るであろうプロフェッショナルなパフォーマンスである。アンクル・トュペロ(Uncle Tupelo)のようなアプローチの⑭”Sometime or Another“にも同じことが言える。

『Pieces』のすべての曲がミレニアムのベスト曲ではないものの、どの曲にもデモレコーディングならではの良さがある。

すべてのバンドがインサイダーであったときからカート・ベッチャーが何かしら手掛けていたことは間違いない。

他のバンドが夢にも思わなかったようなスタジオエンジニアと関係があったことは驚くに値しない。

最高のカントリー・ポップ⑱”Suspended Animation”やビートルズ(the Beatles)調の④”It’s You”などは、実際1968年にチャートインした作品の90%より良い仕上がりであると言える。特に④”It’s You”は、清らかなボーカルハーモニーとビートルズの”Baby You’re a Rich Man”のようなベースワークが素晴らしく、なぜ彼らが当時のコロムビア・レコードの社長、クライブ・デイヴィス(Clive Davis)の目に止まらなかったのか不思議である。

このような話は初めて聞いたという人は、デビューアルバム『Begin』を手に入れることをおすすめする。

そしてバンド「サジタリウス」とカーと・ベッチャーが手掛けた他のバンドをチェックしてほしい。若干沈んだエッジが効いた、ウキウキするようなポップスを聞きたいと思ったら、このアルバムを聞いてほしい。

1960年代ポップスやフォーク・ロックに興味がある人は、ぜひミレニアムを聞いてさらに掘り下げてみることをおすすめする。

カート・ベッチャー(Curt Boettcher)とブライアン・ウィルソンの逸話

その昔、ブライアン・ウィルソン(Brian Wilson)が、レコーディングの様子を偶然耳にして衝撃を受けたというロサンゼルス(Los Angels)の音楽業界に伝わる伝説がある。

ストーリーはこうである。

1966年の春、ブライアン・ウィルソンとアルバム『Pet Sounds』でコラボしたゲイリー・アッシャー(Gary Usher)がスタジオ・スリー・ウェスト(Studio Three West)に出向いた。

そこで耳にしたのは、若干21歳の天才、カート・ベッチャー(Curt Boettcher)が手掛けるレコーディングであった。

「アソシエイション(The Association)」のレコードプロデュースにおけるメロディラインに沿った美しいボーカルアレンジなど、ブライアン・ウィルソンとアッシャーはカート・ベッチャーの才能に驚きを隠せなかった。

事実、ウィルソンはカート・ベッチャーのインストゥルメントとボーカルの重厚なレイヤーを生み出す才能に、ひどく驚かされたという。

しかもそれが原因で、最終的に『Smile』(ウィルソンが参加していたバンド、ビーチ・ボーイズ(The Beach Boys)の未発表アルバム)のリリースも頓挫してしまう彼の破綻の時期が始まったとさえ言われている。

そのような話は信じないとしても、カート・ベッチャーがロサンゼルスポップス界に影響を与えたことは否定できない。

アッシャーはすぐに彼に声をかけ、後にサジタリウス(Sagittarius)=サンシャイン・ポップからクラシックロックを取り除いたようなサイケ・ポップ・バンドのアルバム『Present Tense』となる作品にコラボレイターとして引き入れた。

またカート・ベッチャーは1960年代、自身のバンド、ボールルーム(The Ballroom)としても活動しており、その作品はその後ミレニアム(The Millennium)のレコードとなる(どういうわけか評価されることはなかったのだが)。

素晴らしいボーカルハーモニーに加えて、カート・ベッチャーのステレオサウンドは際立っており、ウィルソンのモノラル録音の上をいっている。ベッチャー自身の曲(とサンシャイン・ポップ・アーティストへの曲)のほとんどは、ウィルソンの曲とは異なるデプスとなっていると思われる。

Written by Marios

【曲目】

1. Prelude 
2. To Claudia On Thursday
3. Baby It’s Real
4. It’s You
5. I Just Don’t Know How To Say Goodbye 
6. Good People
7. Can You See 
8. How Much I Love You 
9. The Blues Is Just A Good Woman Gone Bad 
10.Once Upon A Time 
11.Dying With You
12.The Word 
13.Share With Me
14.Something Or Another
15.A Younger Me
16.I Need To Be By Your Side
17.Sunshine Girl 
18.Suspended Animation
19.The Ways I Love You 
20.The Hills Of Vermont 
21.It Won’t Always Be The Same 

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1967~1968 The Millennium – Piecesのメンバー

Curt Boettcher – Vocals, Guitar
Ron Edgar – Drums, Vocals
Michael Fennelly – Guitar, Vocals
Lee Mallory – Vocals
Doug Rhodes – Horn, Keyboards, Vocals
Sandy Salisbury – Guitar, Vocals
Joey Stec – Guitar

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