ザ・ピーナッツ(the peanuts)について【日本】

ザ・ピーナッツ(the peanuts)について【日本】
評価投稿数: 0
0

1959年、ザ・ピーナッツ(the peanuts)は、彗星のごとく現れた「双子のデュオ」。これまでにない新しい歌手だった。当時、フランスでヒットしていた”小さな花(Sidney Bechet作)”の日本語カバー”可愛い花”が、ザ・ピーナッツのデビュー曲となる。センセーショナルなデビュー。世間の目は彼女たちへと向けられた。ベートーベンの”エリーゼのために”が原曲となった、2ndシングル”情熱の花”は大ヒットを記録。人気を不動のものとした。

ザ・ピーナッツ(the peanuts)の生い立ち

1941年4月1日、愛知県常滑市で食料品卸業を営む家に双子が誕生。

姉、伊藤日出代(エミ)・妹、伊藤月子(ユミ)。

のちのザ・ピーナッツである。10歳の頃には合唱や日本舞踊を習うなど、幼いころから芸事に接していた姉妹は、やがて、同じ夢を抱く。

「歌手になりたい」

それは自然なことだった。高校生になると、歌の先生の紹介で名古屋市内のレストランや、ナイトクラブのステージに立ち、人前で歌うようになる。

その歌声は、店の従業員が聞き惚れるほどで、たちまちアイドルになった。二人は夢中で歌った。芸名は「伊藤シスターズ」。このとき、歌に対する情熱が運命的な出会いを呼び込む。ある夜、姉妹の評判を耳にした男が客として訪れる。当時、日本一のジャズバンド「シックスジョーズ」のジミー竹内と宮川泰。歌声を聴いた二人は、バンドリーダーで渡辺プロダクションを創設したばかりの渡辺晋に声をかける。

渡辺は二人の「高い音楽性」に驚愕。すぐさま姉妹をスカウトし上京した二人は、渡辺の自宅で暮らしはじめる。

期待と不安がよぎるなか、二人はこの渡辺宅で音楽のほかに、社会人としての礼儀を学んだ。歌のレッスンをしたのは宮川泰。彼は二人を自宅のアパートに呼び、猛特訓を重ねた。歌だけではなくダンスのレッスンも。幼いころから夢見た「歌手になるため」のひたむきな努力。強い意志と希望がふたりを支えていた。

上京後三ヶ月、ついにデビューが決定。

姉の日出代は「伊藤エミ」。妹の月子は「伊藤ユミ」。ユニット名はザ・ピーナッツに決定。渡辺プロダクション第1号となった。

1959年2月、彼女たちのデビューには、日劇の舞台が用意された。

たくさんのコーラスグループによりステージショー。その中に二人の姿がある。歌手になる夢がかなった瞬間だった。その頃の映像に写っている希望に満ち溢れた姿。順風満帆のスタートだった。

初のオリジナルソング

デビューから3年。

それまで、洋楽のカバーポップスを歌っていたザ・ピーナッツに大きな転機が訪れる。それは、ふたりにとって初となる「オリジナルソング」。

作詞:岩谷時子、作曲:宮川泰の”ふりむかないで”。和製ポップス第1号となるこの歌。男性の前で黒いストッキングを直す、その刺激的な歌詞は戦後日本の新しい女性像をあらわしていた。

“ふりむかないで”に続く、オリジナル曲第2弾”恋のバカンス”(作詞:岩谷時子、作曲:宮川泰)も、「ため息の出るよなくちづけ」「裸で恋をしよう」と、当時、恋愛に対して保守的な歌詞が多い中、この歌はセンセーションを巻き起こした。

その後も大ヒットを連発。”ウナ・セラ・ディ東京”も代表曲の1つとなった。

海外進出

国内で大成功を収めたザ・ピーナッツ。あらたな目標は海外進出。デビューして4年、オーストリアのテレビ番組に出演。”情熱の花”を歌い好評を得る。翌年にはドイツのテレビ番組『ショービジネス・イン・ジャパン』に出演。これにより二人の実力は認められ、1965年『バーテン・バーデン音楽祭』にゲストとして招待された。その映像にはエキゾチックな歌声でドイツの人々を魅了する二人の姿が記録されていた。

ヨーロッパでのめざましい活躍がきっかけで、1966年アメリカの人気番組に出演する大きなチャンスをつかむ。トップアーティストだけが出演できる伝説の『エド・サリバン・ショー』である。同じ年には『ダニー・ケイ・ショー』にも出演、ハリウッドスターと競演を果たした。

ふたりの実力を裏付けるように、ドイツ・フランス・オランダで現地の言葉で吹き込んだレコードをリリース。デビュー以来、数多くの日本語カバーポップスを歌ってきたザ・ピーナッツのふたりにとって、それは輝かしい功績だった。

海外での成功はザ・ピーナッツにとって、大きな自信となった。しかし、なぜこれほどの偉業を成し遂げたのか?それには理由があった。

1960年代、日本の音楽界では洋楽を英語で歌ったり、日本語で歌うカバーポップスが流行していた。ザ・ピーナッツも多くの洋楽を歌ったが、他の歌手とは一線を画していたという。

そして、1967年発表の”恋のフーガ”では、ザ・ピーナッツはさらなる高みへと導かれ、日本の歌謡史に残る傑作となった。

解散

デビュー以来、数多くの歌を残してきた二人。いつまでも歌い続けたい、そう願ってきた。だが、ふつうの女性のように恋をしたい。そう願うのは当然のことであった。

その恋が願いが成就したときに「ザ・ピーナッツ」が終わりを迎える予感があったのだろう。

その日は突然訪れた。

1975年、衝撃的なニュースが駆け抜ける

「ザ・ピーナッツ引退」

しかも、姉のユミは沢田研二と結婚。世間は騒然となった。

1959年のデビューから、さまざまなジャンルの曲を歌ってきたザ・ピーナッツは、デビューから16年後の1975年、ついに最後の曲”浮気なあいつ”を発表する。

17歳でふるさとを後にし、翌年日劇でデビュー。ひたすら夢を追いかけてきた。歌うことがすべてだった。そして、ともに走ってきたからこそ選んだ「二人そろっての引退」。

それは、なにごとにもかえがたい『絆』そのものだった。

引退記念番組『さようなら、ピーナッツ』では、多くの楽曲を提供した宮川泰は、演奏ではなむけをした。

お別れ番組での二人のメッセージ:

「16年間、あっという間に過ぎてしまったように、今夜もいつの間にか時間が経ってしまいました。今夜こうして、いろんな懐かしい唄を歌ったり、新しい唄を歌うと、あたしたちの16年間の歌手生活も、本当に幸せだった。つくづく感じます。そして、最後にたくさんの皆さまのお力で、素晴らしい引退ができたことを心から感謝いたします。」

出典:完全燃焼60曲!ザ・ピーナッツSP

ザ・ピーナッツ(the peanuts)についての口コミ

感想を追加する


Submit your review
*必須項目です

ザ・ピーナッツ(the peanuts)のディスコグラフィ

1961年

1959 可愛いピーナッツ
1959 可愛いピーナッツ

1960年

お国めぐり
1960a ピーナッツ民謡お国めぐり

1960b ピーナッツの“ザ・ヒット・パレード”
1960b ピーナッツの“ザ・ヒット・パレード”

1961年

1961 夢であなたに~ピーナッツのポピュラー・ムード
1961 夢であなたに~ピーナッツのポピュラー・ムード

1962年

1962a ピーナッツのザ・ヒット・パレード第2集
1962a ピーナッツのザ・ヒット・パレード第2集

 1962b ピーナッツのザ・ヒット・パレード第3集
1962b ピーナッツのザ・ヒット・パレード第3集

1963年

1963a 祇園小唄~ピーナッツのムード民謡
1963a 祇園小唄~ピーナッツのムード民謡

1963b ピーナッツのポピュラー・スタンダード
1963b ピーナッツのポピュラー・スタンダード

1963c バカンスだよピーナッツ
1963c バカンスだよピーナッツ

1964年

1964a ピーナッツのザ・ヒット・パレード第4集
1964a ピーナッツのザ・ヒット・パレード第4集

1964b ウナ・セラ・ディ東京(ピーナッツのザ・ヒット・パレード第5集)
1964b ウナ・セラ・ディ東京(ピーナッツのザ・ヒット・パレード第5集)

1965年

1965 アモーレ・スクーザミ(ピーナッツのザ・ヒット・パレード第6集)
1965 アモーレ・スクーザミ(ピーナッツのザ・ヒット・パレード第6集)

1966年

1966 ヨーロッパの旅(ピーナッツのザ・ヒット・パレード第6集)
1966 ヨーロッパの旅(ピーナッツのザ・ヒット・パレード第6集)

1967年

1967 ザ・ピーナッツ・デラックス
1967 ザ・ピーナッツ・デラックス

1968年

1968a ピーナッツ・ゴールデン・デラックス
1968a ピーナッツ・ゴールデン・デラックス
1968b ピーナツ・ディスク・リサイタル

1970年

1970 フィーリン・グッド~ピーナッツの新しい世界
1970 フィーリン・グッド~ピーナッツの新しい世界

1971年

1971a ザ・ピーナッツ・ゴールデン・ヒッツ
1971a ザ・ピーナッツ・ゴールデン・ヒッツ
1971b ザ・ピーナッツ・ノスタルジック・ムード

1971c 華麗なるフランシス・レイ・サウンド!~ザ・ピーナッツ最新映画主題歌を歌う
1971c 華麗なるフランシス・レイ・サウンド!~ザ・ピーナッツ最新映画主題歌を歌う

1972年

1972 世界の女たち
1972 世界の女たち

1973年

1973 情熱の砂漠~ジャスト・ナウ・ザ・ピーナッツ
1973 情熱の砂漠~ジャスト・ナウ・ザ・ピーナッツ

1974年

1974 気になる噂~ベスト・オブ・ザ・ピーナッツ
1974 気になる噂~ベスト・オブ・ザ・ピーナッツ

関連記事とアーティスト

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

感想を追加する


Submit your review
*必須項目です

関連記事

1973 速水栄子(はやみえいこ)について

1973~1974 速水栄子(はやみえいこ)について

1975 池田ひろ子とは、どのような女性歌手でしょう?口コミ評価を集計しました!

「池田ひろ子」について

1965 ミッチー・サハラについて

1965 ミッチー・サハラについて

1975 黒木真由美とは、どのような女性歌手でしょう?黒木真由美のその後は...口コミ評価を集計しました!

「黒木真由美」について

1974 竹野美千代(たけのみちよ)について

1974 竹野美千代(たけのみちよ)について

1975~1976 Z(ゼット)について

1975~1976 Z(ゼット)について