ヘレン・シャピロ(Helen Shapiro)について【イギリス】

ヘレン・シャピロ(Helen Shapiro)について【イギリス】
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歌手「ヘレン・シャピロ(Helen Shapiro)」がチャート上で活躍をしたのはたった3年に過ぎなかったのだが、彼女はイギリスで最も有名な歌手のひとり、そして1960年代のポップスターで最も愛された歌手のひとりである。

ヘレン・シャピロ(Helen Shapiro)のバイオグラフィ

ヘレン・シャピロは、1946年9月28日、ロンドン(London)のイーストエンド(East End)地区、ベスナル・グリーン(Bethnal Green)で、ロシア系ユダヤ人の系統に生まれる。

両親は豊かではなかったが、彼女と兄弟に音楽を推奨した。子供の頃、バンジョーを演奏し、兄弟のジャズグループで歌った。彼女の初期のバンド仲間には、若き日のマーク・ボラン(Marc Bolan)もいた。彼は後に影響力のあるグラムロックバンド「ティー・レックス(T-Rex)」となる人物である。

まだ在学中に、ヘレン・シャピロは学校「Maurice Berman Academy」で歌のレッスンを受けるため学費を出してほしいと両親を説得したが、代表のモーリス・バーマン(Maurice Berman)はヘレンの才能に大変魅了され、学費を免除したのである。

バーマンはいくつかのレコード会社に、彼女を売り込む手紙を書いた。

1960年 13歳~14歳のころ

レコード会社「EMI Records」のプロデューサー、ジョン・シュレーダー(John Schroeder)が、レッスンでのヘレン・シャピロの強く、深い声(彼女は当時フォグホーンというあだ名だった)を聞き感銘を受け、十分レコーディングをする価値があると判断し、「EMI」のトッププロデューサーであるノリー・パラマー(Norrie Paramor)へ報告した。

彼も同様に彼女は十分通用すると考えたので、ヘレンは制服に学生カバンを担いで契約書のサインにやってきた。ここから、1960年代のポップス界の歴史への、彼女の進出が始まる。

1961年 14歳~15歳のころ

彼女を世に送り出すために、最適な曲を探すのは大変だった。

シュレーダーとマイク・ハーカー(Mike Hawker)作曲の“Don’t treat me like a child”が最終的にファーストシングルとなり、1961年5月にイギリスチャート3位を記録。

レコード会社の宣伝部は、彼女の年齢が若いことを特に強調した。

3か月後に2枚目のリリースとなるバラード“You don’t know”が発売され、1日に4万枚を超える売り上げを見せた。

1961年8月、この曲がナンバーワンとなり、14歳のヘレン・シャピロは最年少でナンバーワンを記録した女性歌手となった。これは2週間トップに輝き続け、最終的にはミリオンセラーとなった。

その年の9月に彼女は15歳になり、本格的に活動するため学校を辞めた。

このような経験の乏しいアーティストがパフォーマンスすることはほとんど前例のない、伝説的な劇場「London Palladium」での主演ライブなどのライブ活動を行い、ヘレンはパフォーマーとしての確実性を見せつけた。

こういった彼女の一生懸命な働きが報われた。

ヘレン・シャピロはファン基盤を確立できていたので、3枚目のシングル“Walkin’ back to happiness”は先行予約で30万枚を超える注文を受け、1961年10月のチャートでトップとなることは確定した。

彼女はこの曲を少しばからしいと思っていたので、レコーディングに疑問を持っていたと言われている。

彼女は、この曲は伝統的な曲“Camptown races”を思い出させたと言っている。大きなスタジオのオーケストラ編曲が追加されることに決定した頃には、彼女にも現実的になっていただろう。

いずれにせよ、当時ヘレン・シャピロは作品に関して口を出すことはほとんどなく、パラマーがすべてを決定していた。彼女の歌いぶりにより、彼女自身が恐れいていたこの曲の古臭さは払拭され、これは現在彼女のテーマ曲だと考えられている。

この曲はヨーロッパの他の国々でも成功を収め、アメリカ市場にも挑戦しようということになった。

しかし、伝説的なテレビ番組『Ed Sullivan Show』に出演したにも関わらず、アメリカチャートではトップ100位内になんとか入るに留まった。

1962年 15歳~16歳のころ

1962年2月に、ジェフ・バリー(Jeff Barry)作曲のグループ「プレイメイツ(Playmates)」のカバー曲“Tell me what he said”が発売され、イギリスチャートで2位となった。

この曲はヨーロッパ本土での彼女の人気を活かし、フランス語とドイツ語にも翻訳された。

イギリスでは、その年の雑誌『NME』の世論調査で、ベスト女性歌手に選ばれた。

1963年 16歳~17歳のころ

1963年、新進気鋭の「ビートルズ(Beatles)」らをサポートに迎え、主演ツアーを行った。ヘレンと彼らは仲良くなり、テレビ番組『Ready steady go!』に出演し“Look who it is”を歌った時には、ポール(Paul)を除いた「ビートルズ」が歌なしのバックアップを務めた。

ツアーの間に「ビートルズ」が大ヒットし、広告ポスターのトップがヘレンと入れ替えられる事件もおこった。

この頃、レノン(Lennon)とマッカートニー(McCartney)が彼女のために“Misery”を作曲したが、パラマーが断ったということを、彼女は後に知ることになる。

パラマーは“Queen for tonight”をリリースすることを選んだ。

これはファンのお気に入りで大変需要のある曲だが、当時のトレンドからはわずかにずれており、イギリスチャートでは残念な33位という結果だった。

1963年にはEP“Teenager sings the blues”を発売し、クラシックな“Blues in the night”や“St Louis blues”などにはジャズの影響が見られる。

ビートブームの到来が、彼女に問題を引き起こす。1962年のカバーアルバム『Tops with me』と、1964年の『Helen hits out』では、彼女が難なく様々なスタイルをカバーできることを示しているし、1962年に公開された2本の映画、リチャード・レスター(Richard Lester)の『It’s trad, Dad』と、ビリー・フューリー(Billy Fury)の『Play it cool』に出演したことは、彼女の才能の幅広さを示してもいるが、チャート上での成功は安定しなくなっていった。

1962年の夏に“Little Miss Lonely”がトップ20入りした最後の曲となり、続く“Keep away from other girls”や、ジャッキー・デシャノン(Jackie De Shannon)作曲の“Woe is me”といったシングルはトップ40にやっと入るに留まった。

1964年 17歳~18歳のころ

1964年初め、カバー曲“Fever”がトップ40入りする最後のヒットとなった。

もし「EMI」が、1963年に発売されたアルバムで、絶賛されたが商業的には成功しなかった『Helen in Nashville』に収録された“It’s my party”を、レスリー・ゴーア(Lesley Gore)よりも先に発売していたとしたなら、ヘレン・シャピロにチャート上での成功が戻ってきていたかもしれなかったのだ。

ヘレン・シャピロがこの曲を最初にレコーディングしたと知ったゴーアのレコード会社は、ゴーアのバージョンの発売を急いだと言われている。

レスリー・ゴーアの曲はアメリカチャートでトップとなり、イギリスではトップ10入りを果たした。

この頃までには、ヘレンの初期の人気を支えていた、女子学生であるという目新しさは廃れ始めていた。もしプロデューサーを変えていたとしたなら、彼女の人気はもっと長く続いたかもしれない。

しかし1960年代を通し、彼女は高品質の作品を、年に2~3枚のペースで発売し続けた。

1965年 18歳~19歳のころ

おそらく意外なことだろうが、ヘレンの根強いファンたちは、この1960年代中期から後期のチャート日照りの時期を、大好きな作品たちがレコーディングされた素晴らしい時期だと考えている。

気取ったポップスの束縛から解放され、ヘレンのパフォーマンスはより優れたものになっており、これらのレコードは現在のコレクター市場でかなりの金額で取引されている。

その中で注目すべきは、“Look over your shoulder”(B面は同様に人気の“You won’t come home”)と、グループ「ミラクルズ(Miracles)」のカバーの“Shop around”(B面はヘレン作曲の素晴らしい“He knows how to love me”)で、両方とも1964年に発売された。

1966年 19歳~20歳のころ

非常に凝った1966年のシングル“In my calendar”もまたファンのお気に入りであるし、イギリスのシンガーソングライター、アール・オキン(Earl Okin)の曲のカバーで、1967年に“She needs company”のB面として発売された激しい“Stop and you will become aware”は、後のノーザンソウルダンスシーンで大変人気となった。

1960年代最後のシングルとなったのは“You’ve guessed”で、B面は“Take me for a while”である。

1970年代、その後…

1970年代、会社からの制約がなくなり、彼女のジャズへの愛が再燃し、ステージ上でもレコードでも、今後長く続くこととなるハンフリー・リッテルトン(Humphrey Lyttelton)と協力しての仕事を始めた。彼女はまたステージでの活動により力を注ぎ、1980年代初期には、ライオネル・バート(Lionel Bart)のミュージカル『Oliver!』でのナンシー(Nancy)役など、様々なミュージカル、パントマイム、リバイバルコンサートなどに出演した。

また、特にヨーロッパ本土や極東(東アジア)など、未だに人気のある地域でのツアーを続けた。

1980年代を通してたくさんのテレビ番組にゲスト出演し、昔の曲を歌ったり、少し変わった新曲をプロモーションしたりした。

数枚のディスコスタイルの作品は彼女の才能を示しているが、1983年に発売されたアルバム『Straighten up and fly right』は、たくさんのスタンダードなステージ曲を収録した質の高いジャズ風の作品である。

彼女はまた、短い期間しか続かず1986年に終了した、テレビのメロドラマ『Albion market』にも出演した。

1987年8月、ヘレンはイエスの信者となり、キリスト教の普及活動に従事するため、2002年にショービジネス界を引退し、現在も普及活動を続けている。

現在までに4枚のゴスペル音楽のアルバムをレコーディングし、1993年に自叙伝を発売している。

もし今、何か後悔していることはあるかと聞かれたら、ピアノを習っておけばよかったと彼女は答えるだろう。

自分の短所をよく理解しており、おそらくもっと長い期間、スポットライトを浴びるに値する人物であっただろう。

出典:Ready Steady Girls

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ヘレン・シャピロ(Helen Shapiro)のディスコグラフィ

ヘレン・シャピロ(Helen Shapiro)のシングル(EP)

ヘレン・シャピロ(Helen Shapiro)のシングル(EP)
    1. Don’t Treat Me Like A Child  1961
    2. You Don’t Know 1961
    3. Don’t Treat Me Like A Child 1961
    4. Walkin’ Back To Happiness   1961
    5. You Don’t Know 1961
    6. Helen   1961
    7. Helen’s Hit Parade  1961
    8. Goody Goody  1961
    9. I Apologise 1962
    10. Keep Away From Other Girls  1962
    11. Little Miss Lonely 1962
    12. More Hits From Helen  1962
    13. Helen Shapiro With The Martin Slavin Orchestra – Tell Me What He Said   1962
    14. Even More Hits From Helen 1962
    15. Let’s Talk About Love 1962
    16. A Teenager Sings The Blues  1962
    17. Walkin’ Back To Happiness ‎(7″, EP)  1962
    18. Pour Tous Mes Amis Francais Affectueusement ‎(7″, EP)  1962
    19. Immer Die Boys ‎(7″, Single, Mono) 1962
    20. Tout Ce Qu’il Voudra ‎(7″, Single)  1962
    21. Parlons D’amour (Let’s Talk) ‎(7″, Single) 1962
    22. Let’s Talk About Love ‎(7″)  1962
  • ヘレン・シャピロ(Helen Shapiro)のEP
    1. Woe Is Me  1963
    2. No Trespassing  1963
    3. Schlafen Kann Ich Nie / Glaube Mir, Jonny 1963
    4. Tops With Me (No. 1)   1963
    5. Tops With Me (No. 2)   1963
    6. Woe Is Me  2 versions Epic 1963
    7. Look Who It Is  1963
    8. Woe Is Me ‎(Acetate, 7″)   1963
    9. Woe Is Me ‎(7″, EP)   1963
    10. Will You Love Me Tomorrow ‎(7″, Single) 1963
    11. A Teenager Sings The Blues ‎(7″, Single, Mono)  1963
    12. Shop Around 1964
    13. I Wish I’d Never Loved You   1964
    14. Look Over Your Shoulder 1964
    15. Fever  1964
    16. Look Who It Is ‎(7″, EP) 1964
    17. Something Wonderful  1965
    18. Here In Your Arms  1965
    19. Tomorrow Is Another Day 1965
    20. Queen For Tonight 1963
    21. Queen For Tonight ‎(7″, Single, Jukebox)  1965
    22. Sag, Dass Es Schön Ist / Rote Rosen Und Vergißmeinnicht ‎(7″, Single) 1965
    23. Forget About The Bad Things   1966
    24. In My Calendar  1966
    25. Ich Such Mir Meinen Bräutigam Alleine Aus / Der Weg Zu Deinem Herzen (Wait A Little Longer) ‎(7″, Single)  1966
    26. She Needs Company  1967
    27. Make Me Belong To You 1967
    28. You’ll Get Me Loving You  1968
    29. Today Has Been Cancelled  1969
    30. You’ve Guessed  1969
    31. Waiting On The Shores Of Nowhere 1970
    32. Take Down A Note Miss Smith  1970
    33. Das Ist Nicht Die Feine Englische Art ‎(7″, Single) 1970
    34. Queen For Tonight 1972
    35. You’re A Love Child  1975
    36. Can’t Break The Habit  1977
    37. Helen Shapiro / Tony Brent – I Don’t Care / The Clouds Will Soon Roll By ‎(7″, Single, Mono)  1977
    38. Every Little Bit Hurts 1978
    39. You Don’t Know / Walkin’ Back To Happiness 1983
    40. Let Yourself Go ‎(10″, Single)  1983
    41. Let Yourself Go ‎(7″, Single)  1983
    42. Brickyard Blues 1984
    43. You Don’t Know / I Apologise ‎(7″)  1984
    44. Walking Back To Happiness ‎(7″, Single)   1989
    45. Look Who It Is ‎(7″, Single)   1990
    46. Don’t Treat Me Like A Child ‎(7″, Single) 発売日不明
    47. Look Who It Is ‎(7″, EP)  発売日不明
    48. Jimmy Fraser / Helen Shapiro – Of Hopes And Dreams And Tombstones / Queen For Tonight ‎(7″)  発売日不明
    49. Keep Away From The Other Girls ‎(7″, Single)  発売日不明
    50. Don’t Treat Me Like A Child ‎(7″, EP, Mono)  発売日不明
    51. Not Responsible / Look Who It Is ‎(7″, Single)  発売日不明
    52. Little Devil ‎(7″, EP)  発売日不明
    53. Tu Não Sabes (You Don’t Know) ‎(7″, EP)  発売日不明
    54. Focus (2) / Helen Shapiro – Hocus Pocus / Queen For Tonight ‎(7″)   発売日不明
    55. Helen Shapiro ‎(7″, EP) 発売日不明

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