シラ・ブラック(Cilla Black)について【イギリス】

シラ・ブラック(Cilla Black)について【イギリス】
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当時のトップソングライターやトッププロデューサーの後ろ盾を得て、シラ・ブラック(Cilla Black)は、1960年代のイギリスのトップスターのひとりとなった。

特にドラマティックなバラードを得意とし、“lorra, lorra”(“lorra lorra laughs”が彼女のキャッチフレーズ)なヒットを記録し、その後イギリスで最もギャラの高い女性テレビ司会者となる。

シラ・ブラック(Cilla Black)の生い立ち

シラ・ブラックは、1943年5月27日、本名プリシラ・ホワイト(Priscilla White)として、イギリス北西部リバプール(Liverpool)に生まれる。

1963年までにはタイピストとして働きながら、昼の休憩時は、デビュー前後で沸き立つビートルズで有名なライブハウス「Cavern Club」の受付を担当していた。

また、彼女はグループ「ビッグ・スリー(Big Three)」としてもソロとしても、スウィンギング・シラ(Swinging Cilla)という名で歌い、地元で有名になっていたのだ。

1963年

1963年、「ビートルズ(Beatles)」のマネージャーであるブライアン・エプスタインが、彼女の才能に目をつけ、すばやくシラ・ブラックと契約し、ビートルズと同じレコード会社「パーロフォン」からのレコード契約をとりつけた。

会社は、シラ・ブラックの特徴的な歌声に関しては意見が分かれるだろうが、十分に市場の関心を引けるだろうと判断した。

そして、激しい情熱のメロディ“Love of the loved”が1963年9月にファーストシングルとして発売された。

ビートルズのメンバーであるジョン・レノンとポール・マッカートニー作曲のこの曲は、ハンブルク時代にライブでも披露され、デッカ・オーデションでも自作曲としてビートルズのレパートリーとして演奏したのだが、本人たちのアルバムには未収録だった。

この強力なバックアップにおいても、残念ながらシラ・ブラックの1stシングルはイギリスチャート35位に留まった。

シラ・ブラックは、ボーイフレンドのボビー・ウィルス(Bobby Willis)が作った“Shy of love”をデビューシングルとして発売したかったのだが、会社はそれを却下したという逸話がある。

その代り、彼のこの曲はB面に収録されている。これは賢いビジネスで、その後の多くの彼女のシングルでも同様のことが行われた、

つまり、50%の印税が彼氏であるボビー・ウィルスに支払われるということだ。

1964年

続くリリースにより、シラ・ブラックの名前をよく耳にするようになる。

1964年1月に発売された“Anyone who had a heart”だ。

この曲は、黒人女性歌手「ディオンヌ・ワーウィック」によるアメリカでのヒット曲のカバーで、バート・バカラックとハル・デヴィッド作曲である。

このシングルは、3週間のうちに、シラ・ブラックのバージョンはイギリスチャートのナンバーワンとなり、100万枚を超えるミリオンセラーの売り上げを記録した。

次のシングルで、シラが言う「イタリア時代」が始まる。

ウンベルト・ビンディ(Umberto Bindi)“ Il mio mondo”のカバー“You’re my world”は

1964年春に4週間チャートトップとなった。こういったイタリアのバラード曲は、彼女のボーカルの長所を最大限に引き出した。

彼女には親しみやすい魅力があったので、頻繁にテレビ番組にゲスト出演するようになり、『Royal variety performance』への出演でその年を締めくくった。

この番組で彼女は4枚目のヒットとなる、美しいワルツスタイルの、レノン=マッカートニー作曲“It’s for you”を披露し、これもまたトップ10入りを果たした。

1965年

1965年はシラ・ブラックのファーストLP、想像力あふれるタイトルの『Cilla』の発売で幕を開けた。

ブレンダ・ホロウェイ“ Every little bit hurts”のカバー、グループ「マーサ・アンド・ザ・ヴァンデラス」“Dancing in the street”のカバー、そしてイタリアのスター、ジリオラ・チンクエッティ“ Uno di voi”のカバー“One little voice”などが収録されている。

現在では考えられないだろうが、当時としては普通のことで、このアルバムにはシラのヒットシングルは1枚も収録されなかった。

それにも関わらずよく売れ、チャート5位を記録。

その春、彼女の最新作である、フィル・スペクター(Phil Spector)作曲の“You’ve lost that loving feeling”はチャート2位に留まり、一方グループ「ライチャス・ブラザーズ」によるオリジナルバージョンが1位を記録した。

「ローリング・ストーンズ」のマネージャーであるアンドリュー・ルーグ・オールダムが、彼女のバージョンではなくオリジナルバージョンを称えている広告をイギリスの音楽雑誌『Melody maker』に出した時にもまた、彼女は屈辱を感じなければいけなかった。

続いて発売されたのは、彼女がベストのパフォーマンスを見せている作品のひとつ“I’ve been wrong before”だが、驚くべきことにこれはチャートの17位に留まった。

この曲を作ったランディ・ニューマン(Randy Newman)はそれでも、これは自分の曲の中で一番のお気に入りのひとつだと言っている。

1966年

素晴らしい“Love’s just a broken heart”が再びトップ5に返り咲いたことから、1966年は始まった。

この曲は元々エディット・ピアフ(Edith Piaf)のために作曲された“L’amour est ce qu’il est”である。

バカラックとデヴィッド作曲で、マイケル・ケインの映画のタイトルトラックとなった曲“Alfie”で、シラはその春イギリスチャートトップ10入りする。

多くの人にとって、これはシラ・ブラックのテーマ曲と考えられている。

ちなみにこの曲は初め、ダグナムのスター、サンディ・ショウのために作られたが、彼女のマネージャーが断ったと言われている。

その年、彼女はフランキー・ハワードらと共にロンドンのウエスト・エンドでレビュー(歌と踊りなどに時事風刺劇などを組み合わせた軽喜劇)にも主演し、2枚目のLP『Cilla sings a rainbow』の発売もした。

ほぼカバー曲のみで作られたこのアルバムは、彼女のなかで最も成功したアルバムとなり、チャート4位まで昇りつめた。

この中で注目すべきはヴァン・マッコイ“Baby I’m yours”のカバー、グループ「ウォーカー・ブラザーズ」“Make it easy on yourself”のカバーである。

さらに2曲のイタリアのバラード、ドナテッラ・モレッティ“ Ti vedo uscire”のカバー“Don’t answer me”とファブリツィオ・フェレッティ“ Dimmelo parlami”のカバー“A fool am I”で、その年の残りの期間もチャート上に留まった。

1967年

1967年には、ドラマティックなバラード“What good am I?”と、再びイタリアのカバー曲、トニー・ダラバ Cosa si fa stasera”のカバーである優しい“I only live to love you”がチャートトップ30に終わってしまった時、シラのポップス界での人気の熱も冷めてしまったかと思われた。

シラ・ブラックのマネージャー、ブライアン・エプスタインの死も、さらに暗い影を落とした。

しかし、ふたりでしばらくよく考え、ボビー・ウィルスが後を引き継ぎマネージャーとなった。

1968年

テレビ局「BBC」が、シラ・ブラックにテレビシリーズを与え、彼女に栄光が戻って来た。

この番組は、1968年1月に最初に初放送。

テーマ曲の“Step inside love”はポール・マッカートニーが彼女のために作曲したもので、この曲でトップ10へ返り咲いた。

彼女はこの曲をイタリア語バージョン“M’innamoro”としても発売したが、イタリアでは成功はしなかった。

「BBC」はシラ・ブラックに、その年のコンテスト『Eurovision song contest』にギリス代表として出場するチャンスを与えようと申し出たが、彼女はそれを拒んだ。

前年にサンディ・ショウが優勝しており、2年続けてイギリスの女性歌手が優勝するとは思えなかったからだ。ちなみに彼女の本能は正しく、その年の優勝はスペインのマッシェル(Massiel)であった。

3枚目のアルバム『Sher-oo!』は寄せ集めではあったが、チャートトップ10入りした。

再びウンベルト・ビンディの曲に戻り、“Non c’è domani”のカバー“Where is tomorrow”を発売するが、1968年の夏にトップ40に滑り込むに留まった。

しかし、シラは初めての映画『Work is a four letter word』のプロモーションに忙しく、大して気にはしなかった。この映画はピーター・ホール監督の、明らかにニ流の作品である。

ボビー・ウィルスとの結婚、そして再びチャートへ返り咲くことでこの10年を締めくくった。

素晴らしい“Surround yourself with sorrow”はイギリスチャートトップ3入りを果たした。しかし、新しいアルバム『Surround yourself with Cilla』は前作ほど売れなかっが、素晴らしい歌詞の、変わった曲“Conversations”がその年の夏にトップ7入りし、優しい“If I thought you’d ever change your mind”は20位となった。

1970年代、その後…

1970年の“Child of mine”がチャート入りを果たせなかった時、人々は「スウィンギング・シラ」がイギリスの良き60年代の音楽ブーム「スウィンギング・ロンドン」とともに終わりを迎えたかのように感じていた。

しかし、1971年の新しいテレビシリーズのおかげで、そのテーマ曲“Something tells me (something’s gonna happen tonight)”が、またしてもトップ3入りした。

トップ10入りするヒットはこれで最後となる。

1970年代、シラ・ブラックがテレビシリーズの司会者となったことは、画面を温める彼女の存在とキャラクターからすれば驚くことではない。

彼女は1980年代、90年代のイギリスで、最も人気の女性テレビ司会者となった。

そして、2015年8月1日、スペインの自宅で転倒し脳卒中に苦しみ、彼女はこの世を去った。

出典:Ready Steady Girls

シラ・ブラック(Cilla Black)について【イギリス】の口コミ

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シラ・ブラック(Cilla Black)のディスコグラフィ

シラ・ブラック(Cilla Black)のシングル(EP)

シラ・ブラック(Cilla Black)のシングル(EP)
  1. Love’s Just A Broken Heart / Baby it’s You ‎(7″, Mono) 1964
  2. Cilla Black / Matt Monro – Anyone Who Had A Heart / From Russia With Love ‎(7″, EP) 1964
  3. I’ve Been Wrong Before 1965
  4. You’ve Lost That Lovin’ Feelin’   1965
  5. You’ve Lost That Lovin’ Feelin’ ‎(7″, EP) 1965
  6. Love Of The Loved  1963
  7. You’re My World (Il Mio Mondo)   1964
  8. It’s For You 1964
  9. Anyone Who Had A Heart 1964
  10. It’s For You  1964
  11. Is It Love ‎(7″, EP)  1965
  12. I’ve Been Wrong Before ‎(7″, Single, Promo)  1965
  13. I Don’t Want To Know ‎(7″, EP)  1965
  14. You’ve Lost That Lovin’ Feelin’ ‎(7″, Single)   1965
  15. One Little Voice ‎(7″, EP)  1965
  16. Alfie 1966
  17. Cilla’s Hits 1966
  18. Don’t Answer Me / The Right One Is Left 1966
  19. A Fool Am I (Dimmelo Parlami)  1966
  20. Love’s Just A Broken Heart  1966
  21. Alfie ‎(7″, Single)  1966
  22. Love’s Just A Broken Heart ‎(7″, EP) 1966
  23. Love’s Just A Broken Heart / This Empty Place / Come To Me / I’m Not Alone Anymore ‎(7″, Single)  1966
  24. Love’s Just A Broken Heart ‎(7″, EP)  1966
  25. The Beatles / Cilla Black – Yellow Submarine / Alfie ‎(7″, Jukebox)  1966
  26. Love’s Just A Broken Heart ‎(7″, EP)  1966
  27. What Good Am I ?  1967
  28. I Only Live To Love You  1967
  29. What Good Am I ‎(7″, EP)  1967
  30. Time For Cilla  1968
  31. Step Inside Love 1968
  32. Where Is Tomorrow?  1968
  33. Step Inside Love ‎(7″, Promo)   1968
  34. Step Inside Love ‎(7″, EP) 1968
  35. Only Forever Will Do ‎(7″, Single) 1968
  36. M’Innamoro (Step Inside Love) ‎(7″) 1968
  37. Surround Yourself With Sorrow 1969
  38. Conversations  1969
  39. If I Thought You’d Ever Change Your Mind 1969
  40. Conversations    1969
  41. Aquarius / Conversations ‎(7″, Single) 1969
  42. Conversations / London Bridge ‎(7″, Single, Promo)  1969
  43. Step Inside Love ‎(7″, EP)  1969
  44. What The World Needs Now Is Love ‎(7″, Single)  1969
  45. If I Thought You’d Ever Change Your Mind ‎(7″, EP)  1969
  46. Surround Yourself With Sorrow / Without Him ‎(7″)  1969
  47. Step Inside Love ‎(7″, EP)  1969
  48. Across The Universe 1970
  49. Child Of Mine / That’s Why I Love You 1970
  50. I Can’t Go On Living Without You ‎(7″, Single)  1970
  51. Something Tells Me (Something’s Gonna Happen Tonight) 1971
  52. Faded Images ‎(7″)  1971
  53. Oh Pleasure Man ‎(7″, Single)  1971
  54. You You You / Silly Wasn’t I?  1972
  55. The World I Wish For You 1972
  56. He Was A Writer 1974
  57. Baby We Can’t Go Wrong 1974
  58. I’ll Have To Say I Love You In A Song  1974
  59. Alfie Darling 1975
  60. I’ll Take A Tango 1975
  61. Easy In Your Company 1976
  62. Little Things Mean A Lot 1976
  63. Fantasy 1976
  64. I Wanted To Call It Off 1977
  65. You’re My World 1977
  66. You’re My World / You’ve Lost That Lovin’ Feelin’  1977
  67. The Other Woman 1978
  68. Silly Boy 1978
  69. You’re My World / Anyone Who Had A Heart ‎(7″, Single)  1984
  70. Surprise Surprise ‎(7″, Single) 1985
  71. There’s A Need In Me ‎(7″) 1985
  72. Cilla Black With Dusty Springfield – Heart And Soul 1993
  73. Cilla Black With Barry Manilow – You’ll Never Walk Alone 1993
  74. Through The Years 1993
  75. Verdelle Smith / Cilla Black – Tar And Cement / You’re My World ‎(7″, Single, RE)  1995
  76. Conversations ‎(7″, EP)  発売日不明
  77. One Little Voice / Is It Love? ‎(7″, Single)  発売日不明
  78. TS (4) Versus CB* – Burn ‘Em Records Presents TS Versus CB ‎(12″)  発売日不明
  79. It’ll Never Happen Again / Without Him ‎(7″, Promo)  発売日不明
  80. London Bridge ‎(7″)  発売日不明
  81. Step Inside Love ‎(7″)  発売日不明
  82. Liz Verdi / Cilla Black – Think It Over (And Be Sure) / Is It Love ‎(7″, Single)  発売日不明

シラ・ブラック(Cilla Black)のアルバム(LP)

  1. Is It Love?  1965
  2. Cilla  1965
  3. Cilla Sings A Rainbow 1966
  4. Sher-oo!  1968
  5. Best Of Cilla 1968
  6. Surround Yourself With Cilla  1969
  7. Sweet Inspiration  1970
  8. Images 1971
  9. Day By Day 1973
  10. In My Life 1974
  11. It Makes Me Feel Good 1976
  12. Modern Priscilla ‎(LP, Album) 1978
  13. Especially For You  1980
  14. Surprisingly Cilla ‎(LP, Album) 1985
  15. Love Songs ‎(LP, Album) 1987
  16. Through The Years 1993
  17. Gerry And The Pacemakers* With Cilla Black And The Fourmost – Ferry Cross The Mersey ‎(CD, Album, Mono, RM, Dig) 1997
  18. All Mixed Up ‎(CDr, Mixed, Promo) 2009
  19. Something Tells Me ‎(LP) 発売日不明

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