ザ・カラヴェルズ(The Caravelles)について【イギリス】

ザ・カラヴェルズ(The Caravelles)について【イギリス】
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ビートブームのイギリスにおいては、「ザ・カラヴェルズ」のサウンドは少し時代遅れのようにも聴こえたが、彼女たちの鳥の羽のように軽いボーカルはそれでもやはり人気となった。

彼女たちのデビュー曲“You don’t have to be a baby to cry”は国内でも海外でもトップ10入りするヒットとなったが、続けてヒットを出すことは難しく、このデュオはすぐに姿を消してしまう。

ザ・カラヴェルズ(The Caravelles)のバイオグラフィ

ザ・カラヴェルズは、ブルネットのアンドレア・シンプソン(Andrea Simpson)とブロンドのロイス・ウィルキンソン(Lois Wilkinson)から成る二人組女性デュオ。

アンドレア・シンプソンは1946年9月9日にロンドン北部のフィンチェリー(Finchley)で生まれ、ロイス・ウィルキンソンは1944年4月3日にリンカンシャー(Lincolnshire)のスリーフォード(Sleaford)で生まれた。

このふたりは、ロンドン北部のバーネット(Barnet)の自動車ディーラーで出会った。

アンドレアは会計部署で働いており、ロイスはゼネラルマネジャーの秘書であった。
彼女たちはすぐに意気投合し、そしてお互いに音楽が大好きであるということに気が付く。

アンドレア・シンプソンはには音楽の血が流れていた。父は歌手で、母はダンサー、そして2人の姉は共にジャズシンガーであった。

いっぽう、ロイス・ウィルキンソンはギターと共に育ち、10代半ばまではソーホー(Soho)のジャズクラブ「Tatty Bogle」でパフォーマンスを行っていた。

実際、彼女たちの名声に勢いをつける曲を見つけたのは、このクラブのギタリストのトニー・ピット(Tony Pitt)であった。彼はムーン・マリカン(Moon Mullican)のジャズスタイルの昔の曲を“You don’t have to be a baby to cry”と題して、その楽譜を彼女たちに与えた。

これが、彼女たちがレコード会社「BPR Records」で披露するためにレコーディングした4曲のうちのひとつとなり、これにより彼女たちは独立したレコード会社と契約することに成功した。

再レコーディングされたこの曲が、彼女たちのファーストシングルとして、1963年6月により大きなレコード会社「Decca」を通して発売された。

このデュオは、フランスの新しい航空機にちなんで「ザ・カラヴェルズ」と名付けられた。彼女たちは、ストライプのトップス、紺のスキーパンツ、靴は白いスリッポンという服装で、さらにフランステーマを印象付けた。

ペトゥラ・クラーク(Petula Clark)がITVの番組『Thank your lucky stars』から引退しなければならなくなった時、彼女たちがブレイクすることになった。

ザ・カラヴェルズの曲とスタイルは、ビートブームが風靡していたイギリスでは幾らか奇妙ではあったが、魅力はきちんと伝わり、間もなく彼女たちの曲はイギリスチャートで6位を記録した。

これはまたヨーロッパの他の地域、例えばドイツやオランダ、スペインやスウェーデン、またアメリカでさえもヒットとなり、その冬ビルボードチャートで3位を記録。

この成功により、彼女たちは1964年1月に初めて飛行機「カラヴェル」で大西洋を渡り、さらには「ビートルズ(The Beatles)」史上初のアメリカ公演のサポートアクトにも登場することとなった。

1963年

ザ・カラヴェルズは1963年11月と12月の「ビリー・J・クレイマーとザ・ダコタス(Billy J Kramer and the Dakotas)」のイギリスツアー出演のおかげで、ツアーの経験を得ることができた。

この活動は彼女たちの続く45レコードである、レス・ポール・アンド・メリー・フォード(Les Paul and Mary Ford)のカバー“I really don’t want to know”とその同タイトルのLPの宣伝も兼ねていた。ちなみにこのアルバムはA面曲とB面曲のミックスに、数曲のカバー、そして2、3曲彼女たち自身作曲のナンバーが入っていた。

さらに1枚のシングル“Have you ever been lonely”を「Decca」から発売後、彼女たちのレコード配給権は「Fontana」へと移った。

1964年

ロビン・ワード(Robin Ward)“ Winter’s here”の素晴らしいカバー“You are here”がこのレコード会社からのファーストリリースとなった。1964年4月に発売されたこの曲はしかし、多くの関心を集めることはできなかった。

2枚目のシングルとなったのはパティ・ペイジ(Patti Page)“ I don’t care if the sun don’t shine”のカバーという思慮の浅い選択で、これによりこのグループがいかにその時代のムードからかけ離れているかということを買い手たちに認識させてしまうだけの結果となった。

ちなみに彼女たち自身が作曲したB面の“I like a man”は、時間を経てファンたちにより人気となっている。

事態を悪化させたのは、「BPR」との契約期限が切れ、彼女たちにレコードやツアーの売り上げをほとんど渡さないままマネージャーが自己破産したことだった。

ザ・カラヴェルズは新しくレコード会社「Polydor」と契約を結び、すぐにハンブルク(Hamburg)の有名なクラブ「Star-Club」での4週間のパフォーマンスへと向かった。

1965年

ドイツにいる間彼女たちは、バート・バカラック(Burt Bacharach)とハル・デヴィッド(Hal David)“ True love never runs smooth”のカバーと、自分たちの作曲“Georgia boy”を発売するためにスタジオへも足を運んだ。

これは、世間の関心のなさにも関わらず1965年8月にイギリスでシングルバックとして発売された。

当時ではよくあったことだが、どちらの曲もドイツでのリリースのためドイツ語で再レコーディングされ、バカラックとデヴィッドの曲は“In Gedanken bin ich bei dir”となりシングルとして発売された。

続いて行われたドイツ語でのレコーディングは、長い間日の目を見ないままとなった。それは“Darauf fall’ ich nicht rein (Come on my boy)”といった曲で、これは元々デンマークの人形、ドルテェ(Dorthe)により発売されたもので、多くのファンは彼女たちのドイツ語曲の中でのハイライトと考えられている。

イギリスへ戻る前に彼女たちは、ドイツでクラブを回ってパフォーマンスを行った。ここでふたりの違いが明らかになる。アンドレアはクラブでのパフォーマンスを楽しんでいたが、ロイスはレコーディングを好み、ルーツであるジャズに戻りたいと思うようになっていた。

1966年

そして1966年初めに、ザ・カラヴェルズのペアは解散した。

アンドレアはロイスの代わりに、ランカシャー(Lancashire)出身の若いリン・ハミルトン(Lynne Hamilton)を誘い入れた。

1967年

皮肉なことに、この新しい顔ぶれで最初に行ったことは、スタジオへ行き“Hey Mama you’ve been on my mind”をレコーディングしたことだった。1967年1月に発売された少しバロック式ポップスのこの曲は、彼女たちの中で最も評価の高い作品のひとつとなっている。

わずか3か月後には“Want to love you again”が続いて発売されたが、どちらの曲もチャートを賑わすことはできなかった。

1968年に彼女たちはレコード会社を「Pye」へと移り、ピート・カランダー(Pete Callander)とミッチ・マレー(Mitch Murray)作曲の“The other side of love”を発売した。これが彼女たちの最後の45レコードとなった。ちなみにドイツ語版では裏表逆で“I hear a new kind of music”がA面となっている。

セカンドアルバムの計画があったが、リンがオーストラリアへ移る予定をしていると分かり流れてしまった。その地で後に彼女はテレビシリーズ『Prisoner』(『Prisoner: cell block H』としても知られる)のテーマ曲“On the inside”で成功を収め、この曲は1989年にイギリスでもリリースされ、トップ3を記録するヒットとなった。

アンドレアは、現在アンドレア・マリンズ(Andrea Mullins)として知られているが、再び新しいメンバーを入れ、1970年代から80年代にかけてヨーロッパ本土でのツアーを続けた。

一方ロイスは、ロイス・レーン(Lois Lane)と名を改め、テレビやロンドンのソーホーの「Ronnie Scott」といった名声のあるクラブでジャズをパフォーマンスしたり、補足的にテレビやラジオでナレーションの仕事をしたりと、充実した活動を行っている。

出典:Ready Steady Girls

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ザ・カラヴェルズ(The Caravelles)について【イギリス】のディスコグラフィ

You Don’t Have To Be A Baby To Cry (1963)

You Don't Have To Be A Baby To Cry (1963)

01. YOU DON’T HAVE TO BE A BABY TO CRY
02. TONIGHT YOU BELONG TO ME
03. I REALLY DON’T WANT TO KNOW
04. MY HOW THE TIME GOES BY
05. I WAS WRONG
06. THE LAST ONE TO KNOW
07. HAVE YOU EVER BEEN LONELY (HAVE YOU EVER BEEN BLUE)
08. HALF AS MUCH
09. GONNA GET ALONG WITHOUT YOU NOW
10. DON’T SING LOVE SONGS
11. DON’T BLOW YOUR COOL
12. FOREVER
13. YOU ARE HERE (BONUS TRACK)
14. HOW CAN I BE SURE? (BONUS TRACK)
15. I DON’T CARE IF THE SUN DON’T SHINE (BONUS TRACK)
16. I LIKE A MAN (BONUS TRACK)
17. TRUE LOVE NEVER RUNS SMOOTH (BONUS TRACK)
18. GEORGIA BOY (BONUS TRACK)

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