ベティナ(Betina)について【スペイン】

ベティナ(Betina)について【スペイン】
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スペインのラジオがイエイエガール、ベティナ(Betina)の曲をヒットに変えた時、スターが誕生した。

しかしバルセロナ生まれのこの歌手は、勝負師であった。

フランコ(Franco)体制下のスペインでは、カタルーニャ語は奨励されていなかった。だから彼女がレコードを、スペイン語と母国語の両方でリリースし始めたとき、彼女は仕事を失う危険をおかしていたのだ。

ベティナ(Betina)の生い立ち

ベティナ(Betina)は、1950年1月6日、スペインのバルセロナ(Barcelona)で本名マリア・デ・ラ・メルセデス・マッサージャー・タラゴ(María de las Mercedes Massager Tarragó)として生まれる。

バルセロナの音楽学校で3年間を過ごし、様々なラジオコンテストにも参加した。ラジオ局「National Radio studios」でステージネームとしてベティナを使うよう勧められた。

本名よりも覚えやすいという理由だ。

1964年

1964年、レコード会社「Zafiro」から契約の申し出を受け、ファーストシングル“Fiesta en mi corazón”を発売。

さらに2枚のシングル“Un verano”と“El curso va a empezar”がその年に発売され、その後のEP『La gente』のリリースで、物事がうまく進み始めた。

リードトラックはすでにゲル(Gelu)により発売されていた曲だったので、DJはそれを無視し、ペトゥラ・クラーク(Petula Clark)によるフランス語のナンバー“Il y a tellement de filles”のベティナのバージョンである“Hay tantos chicos en el mundo”を好んで流したのだ。この曲は瞬く間に国民的ヒットとなった。

カリーナ(Karina)ら他のイエイエガールたちが、英語の歌をスペイン市場向けにパフォーマンスする中、ベティナは自身をより適した場所へと区分けした。少なくとも初めの頃は。彼女は、スペインオリジナル曲に加え、フランスやイタリアのヒット曲をカバーすることを選んだのだ。

シャルル・アズナヴール(Charles Aznavour)“ Et pourtant”のカバーがベティナの次のEP『Y por tanto』のために選ばれた。

このEPには、ボビー・ソロ(Bobby Solo)のイタリアンチャートトップ曲“Una lacrima sul viso”のカバーである“Una lágrima en tus ojos”と、“Ti guarderó nel cuore”のカバー“Más”も収録されている。ちなみにこの曲は映画『Mondo cane』の“More”として国際的によりよく知られている。

ベティナはそのすぐ後「Zafiro」と契約を解除するが、1966年に小さなレコード会社「Ekipo」と新たに契約を結んだ。彼女はそこから同じEPを、スペイン語とカタルーニャ語の両方のバージョンで発売した。

スペイン版EPのリードトラックは“A la buena de dios”で、これはコンテスト『San Remo contest』でのイタリアのグループ「I Ribelli」のヒット曲のカバーである。

また、“Tú me dijiste adios”も収録されているが、これは「ビートルズ」へのスペインの応酬であるグループ「ロス・ブリンコス(Los Brincos)」による作曲で、彼らにより有名になった曲である。

フランコ元帥の政権では、1940、50年代では特に、しかし60年代に入っても依然カタルーニャ語の使用を奨励していなかったので、カタルーニャ語で作品をリリースしたことは、若い彼女にとって、今後の仕事を制限される可能性のある行動だった。

1967年

ベティナが「Ekipo」に留まったのは短い期間で、1967年にレコード会社「Regal」へ移り、「コンテストイヤーズ(the festival years)」と表現するのが一番ふさわしい時期を迎える。

「Regal」は彼女のために大きな計画を立てていた。

2年前カリーナが、フランス・ギャル(France Gall)の “Poupée de cire, poupée de son”をスペイン語でカバーした曲で、無名からチャートトップへと躍り出たのだ。

これはフランス・ギャルがコンテスト『Eurovision song contest』で優勝した曲。

「Regal」はベティナにも同じことをさせようとした。だから彼女はスタジオへと急ぎ、サンディ・ショウ(Sandie Shaw)“ Puppet on a string”を“Marionetas en la cuerda”として再レコーディングした。

B面には、そのコンテストで4位となったヴィッキー(Vicky)“ L’amour est bleu”のカバー“Mi amor es azul”が収録されている。ちなみにこれはポール・モーリア(Paul Mauriat)により世界的ヒットとなった曲でもある。

このリリースの成功は、続く作品、1967年のコンテスト『Benidorm song festival』で彼女が披露した“Entre los dos”の影に隠れることとなる。

国営放送局のTVEが決勝を放映し、何百万人もの視聴者が、彼女がその曲で勝利を掴むのを観ていたのだ。当然、このレコードは彼女のキャリアの中で最も大きな売り上げを記録した。

この時点から、もう後ろを振り返ることはなかった。「Regal」は彼女をコンテストに出場させ続けることにした。その年、クロアチアのコンテスト『Split song festival』に参加し、それに続いてシングル“La lancha”を発売した。これはドゥオ・ジェカ(Duo Jeka)により“Šjor ilija redikul”としてパフォーマンスされたものだ。

1967年にはコンテスト『Mediterranean song festival』へ参加し、カタルーニャ語で歌を披露した(カタルーニャ語はこのコンテストで初めて許可された)。そしていくらかさみし気なこのエントリー曲を、カタルーニャ語版“T’estim i t’estimaré”とスペイン語版“Te quiero y te querré”の両方で発売した。

1968年

マッシェル(Massiel)がスペインに初めて優勝をもたらした後、1968年のスペインではコンテスト『Eurovision』フィーバーが起こっていた。

ここで2位となり、プレコンテストでお気に入りとなった曲、クリフ・リチャード(Cliff Richard)の“Congratulations”を、ベティナは素早く再レコーディングした。

商売的には成功したが、彼女の満足のいく結果とはならなかった。B面に収録された、フランスのスター、シェイラ(Sheila)の安っぽい曲“ La falda escocesa”のカバーも、それを補うことはできなかった。

1969年

1969年は、レコード会社「Marfer」への移籍で幕を開けた。

もし彼女がこれにより、コンテストの呪縛から解放されることを期待していたのであれば、それは間違いだった。

ファウスト・レアリ(Fausto Leali)とトニー・デル・モナコ(Tony Del Monaco)の、コンテスト『San Remo festival』のエントリー曲である“Un’ora fa”のカバー“Una hora ya”が彼女のファーストリリースとなった。

B面にもまた、ジリオラ・チンクエッティ(Gigliola Cinquetti)とフランス・ギャル(France Gall)がイタリアのコンテストで“La pioggia”としてパフォーマンスした曲“La lluvia”が収録されている。

ベティナはその年の後半にテネリフェ島(Tenerife)でのコンテスト『Atlantic song contest』に参加し“El despertar de tu amor”を披露したが、再び以前のコンテストのように成功することはできなかった。

1970年代 その後…

グループ「ベティナ・グループ・ショウ(Betina Group Show)」として1970年に“Primavera”を発売した翌年、リン・アンダーソン(Lynn Anderson)のカントリー&ウエスタンヒット“Rose garden”のカバー“Jardin de rosas”を発売した。

ベティナは、ピアニストのラウール・カルデロン(Raúl Calderón)と1972年に結婚すると、彼が彼女のマネージメントを引き受けるようになる。

彼女は引退するつもりでいたのだが、オーケストラリーダー、ヤニオ・マルティ(Janio Martí)率いる男性3人、女性3人のグループの一員としてレコーディングを続けた。

このグループとしての活動は彼女のイエイエ時代の成功とは程遠いが、彼女はいつでも同様に仕事に満足していたと語っている。

その後も数十年間、バルセロナのクラブやバー、カジノで歌手として生計を立て続けた。

出典:Ready Steady Girls

ベティナ(Betina)について【スペイン】の口コミ

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ベティナ(Betina)について【スペイン】のディスコグラフィ

1964年
①Un Verano / Tu Pradera Soñada  

①Un Verano / Tu Pradera Soñada   

②Fiesta En Mi Corazon / Nuevamente A Mi Lado ‎(7″) 

③Y Por Tanto ‎(7", EP) 

③Y Por Tanto ‎(7″, EP) 

④El Curso Va A Empezar / Recuerdame ‎(7") 

④El Curso Va A Empezar / Recuerdame ‎(7″) 

⑤Un Verano ‎(7", EP) 

⑤Un Verano ‎(7″, EP) 

⑥La Gente / En La Frescura De La Mañana / ¡Ahí Va! / Hay Tantos Chicos En El Mundo ‎(7", EP) 

⑥La Gente / En La Frescura De La Mañana / ¡Ahí Va! / Hay Tantos Chicos En El Mundo ‎(7″, EP) 

1966年
⑦A La Bona De Deu ‎(7", EP) 

⑦A La Bona De Deu ‎(7″, EP) 

⑧Tú Me Dijiste Adios / El Olé / La Vida Es Así / A La Buena De Dios ‎(7", EP) 

⑧Tú Me Dijiste Adios / El Olé / La Vida Es Así / A La Buena De Dios ‎(7″, EP) 

1967年
⑨La Lancha / Mi Puerto Eres Tu ‎(7")

⑨La Lancha / Mi Puerto Eres Tu ‎(7″)

⑩Entre Los Dos / El Tiempo Ha De Pasar ‎(7") 

⑩Entre Los Dos / El Tiempo Ha De Pasar ‎(7″) 

⑪IX Festival De La Canción Mediterránea ‎(7", EP) 

⑪IX Festival De La Canción Mediterránea ‎(7″, EP) 

⑫Marionetas En La Cuerda / Mi Amor Es Azul ‎(7") 

⑫Marionetas En La Cuerda / Mi Amor Es Azul ‎(7″) 

⑬T'estim I T'estimare / Com El Vent (IX Festival De La Canción Mediterránea) ‎(7", Single) 

⑬T’estim I T’estimare / Com El Vent (IX Festival De La Canción Mediterránea) ‎(7″, Single) 

1968年
⑭Entre Los Dos ‎(7", EP)

⑭Entre Los Dos ‎(7″, EP)

1969年
⑮El Despertar De Tu Amor / Bajo El Sol ‎(7") 

⑮El Despertar De Tu Amor / Bajo El Sol ‎(7″) 

⑯Una Hora Ya / La Lluvia ‎(7") 

⑯Una Hora Ya / La Lluvia ‎(7″) 

⑯Una Hora Ya / La Lluvia ‎(7") 

⑰Matilda Licor ‎(7″, Gat) 

1970年
⑰Matilda Licor ‎(7", Gat) 

⑱Primavera / No Hay Cambio ‎(7″) 

1971年
⑱Primavera / No Hay Cambio ‎(7") 

⑲Congratulations / La Falda Escocesa ‎(7″, Single) 

⑲Congratulations / La Falda Escocesa ‎(7", Single) 

⑳Jardin De Rosas / Te Quiero Ver Bailar ‎(7″, Single, Promo)

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