オードリー・アーノ(Audrey Arno)について【ドイツ】

オードリー・アーノ(Audrey Arno)について【ドイツ】
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サーカスの馬の背からラジオの電波に乗り換えることは、誰でもできることではない。

しかし、ドイツ生まれのオードリー・アーノ(Audrey Arno)はそれをやってのけた。彼女は時にオードリー・アーノとして知られており、1960年代にフランスでたくさんのEPを発売し、その後ラスベガス(Las Vegas)のネオンへと向かった。

オードリー・アーノ(Audrey Arno)の生い立ち

オードリー・アーノは、本名アドリアーナ・メディーニ(Adrianna Medini)として、1942年3月17日、ドイツ南部のマンハイム(Mannheim)に生まれる。

彼女のショービジネス界での活動は、サーカスで馬乗りとしてくすぶっていたことから始まり、その後1960年にフランスのレコード会社「Polydor」から、レコード契約の申し出を受ける。

オードリー・アーノという名前でその年に、初の4曲入りディスクを発売した。リードトラックは“L’homme et la femme”である。

さらに2枚のEP『Printemps』と『È vero』が翌年発売され、どちらにも彼女のイタリアの血を感じられる曲が収録されている。

同じ頃ドイツで彼女は、グループ「Hazy Osterwald Sextet」と共に、ドイツと南アメリカを融合させた曲“Paschanga”をレコーディングし、アメリカで小さなヒットとなった。ちなみにこの曲は、ドイツ語圏の国々では“Wieder mal Paschanga [die Musik aus Caracas]”として知られている。

1962年

フランスでは、バート・バカラック(Burt Bacharach)作曲で、元々はジーン・マクダニエルズ(Gene McDaniels)のアメリカでのヒット曲“Tower of strength”が翻訳され“Toute ma vie”となり、1962年に彼女のファーストシングルとして発売された。

しかし、より興味を引いたのは続く『La bosse a nova』だった。このEPには、リトル・エヴァ(Little Eva)が似たタイトルでヒットを出していた曲のカバーである“Loco-motion”(ちなみにシルヴィ・ヴァルタン(Sylvie Vartan)も過去にフランスでこの曲を発売し、成功していた)と、フレディ・キャノン(Freddy Cannon)“ Teen queen of the week”のカバーである“Le collège anglais”も収録されており、この曲で彼女は英語のアクセントをうまく真似る能力を示した。

その年の終わり、彼女はフランスのコメディ映画『Comment réussir en amour』でのジリアン(Gillian)役として、初めて演技にも挑戦した。

この頃、フランスのスター、アンリ・サルバドール(Henri Salvador)が彼女に注目し、彼のレコード会社「Disques Salvador」へ来るよう説得した。

1963年

アンリ・サルバドールは1963年に発売された、この会社からのオードリー・アーノのファーストEPのリードトラックである“Tu m’as manqué chéri”を共同作曲してもおり、またジャケットに推薦文も提供している。

成功に乏しかった過去の自分から距離を置くため、彼女はこのリリースのために苗字を捨てた。このEPは一般的に、彼女の中でのベストだと考えられている。

バート・バカラック“Saturday sunshine”のカバー“Le soleil sans moi”、イーディ・ゴーメ(Eydie Gormé)“ Everybody go home”のカバー“Partez tous mes amis”、そしてメアリー・ウェルズ(Mary Wells)“ You lost the sweetest boy”のカバー“Ce merveilleux garçon”が収録されている。

彼女はまた1963年に、オーストリアの映画『Sing, aber spiel nicht mit mir』に、翌年には別のフランスのコメディ『Du grabuge chez les veuves』に出演している。

1964年

レコーディング活動にも衰えはなかった。1964年発売の『Le mal de leurs vingt ans』は、おそらく彼女の中で一番有名なリリースであろう。このEPのうち3曲はサルバドールが共同作曲したもので、4曲目にはスティーブ・ローレンス(Steve Lawrence)“ Walking proud”のカバーである“Fière de toi”が収録されている。

アンリ・サルバドールは続いてその年の後半にレコード会社「Rigolo」から発売されたEP『Quand tu me fais la tête』の4曲すべてを作曲しており、彼のジャズテイストの影響が再びはっきりと表れている。

しかし、アンリ・サルバドールの努力にも関わらず、売り上げは伸びなかった。この頃、シルヴィ・ヴァルタンやシェイラ(Sheila)といった歌手らが、国際的なヒット曲のフランス語カバー曲により、ヒットに次ぐヒットを出していた。

そこで、オードリーにもイエイエとしてのアピールを強めようという決定がなされた。ジェフ・バリー(Jeff Barry)とエリー・グレニッチ(Ellie Greenwich)作曲でレスリー・ゴーア(Lesley Gore)のヒット曲“Maybe I know”が、彼女のその年最後のEPのリードトラックとして選ばれた。

“Je sais qu’un jour”となったその曲はファンのお気に入りとなったが、チャート上での彼女の知名度を大きく上げることはできなかった。

1965年

彼女の1965年最初の曲として“Des roses rouges pour un ange blond”が選ばれたのは、驚くべきことだった。

これは元々1940年代の曲“Red roses for a blue lady”で、ヴィック・ダナ(Vic Dana)がカバーし、アメリカでトップ10入りするヒットとなったのだが、オードリーのファンの基準から考えると少しイージーリスニング過ぎたのだ。

同様に大人向けの曲であるニール・ダイアモンド(Neil Diamond)“ Act like a lady”のカバー“Sois une lady”も収録されているが、多くの人にとっては、アルマ・コーガン(Alma Cogan)“ It’s you”のカバー“Mais c’est toi que j’aime”がこのリリースのハイライトである。

1966年以降

サルバドールは再び、彼女のその年最後のEPとなる『Les amours d’artistes』のために作曲を行った。1966年にさらにもう1枚『Flamingo』が発売され、その後彼女は「Rigolo」を去った。

オードリー・アーノはレコード会社「RCA Victor」に拾われ、再び苗字を付けたオードリー・アーノという名前で、アメリカのグループ「フィフス・ディメンション(Fifth Dimension)」“Up, up and away”のカバー“Sur les ailes de l’amour”を1968年に、そして“Quand Jean-Paul rentrera”を1969年に発売。

1970年初め、レコード会社「Vogue」でレコーディングするため、少しだけドイツへ戻った。

活動中、彼女はパリ(Paris)やモンテカルロ(Monte Carlo)のたくさんのクラブに登場していた。そして1970年代にアメリカへ移ると、ラスベガスでショー「Moulin Rouge」に出演。

オードリー・アーノはネバダ(Nevada)に留まったが、最後には老人ホームへ入り、アルツハイマーに苦しんだ。そして2012年6月9日にこの世を去った。

出典:Ready Steady Girls

オードリー・アーノ(Audrey Arno)について【ドイツ】の口コミ

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オードリー・アーノ(Audrey Arno)について【ドイツ】のディスコグラフィ

1959年

Frei sein – Frei sein ‎(7″, Single, Mono) 

1960年

Audrey Arno • Hazy Osterwald Sextett - Paschanga
Audrey Arno • Hazy Osterwald Sextett – Paschanga 

1961年

Retour à Napoli ‎(7", EP)
Retour à Napoli ‎(7″, EP) 
Come Back Home To Roma ‎(7″, EP) 
Audrey Arno And The Orchester Kurt Edelhagen – La Pachanga ‎(7″, Single) 
Audrey Arno And The Hazy Osterwald Sextet* – La Pachanga ‎(7″, Single, Promo)

Audrey Arno Und Das Hazy Osterwald Sextett - Wieder Mal Paschanga ‎(7", Single, Mono)   
Audrey Arno Und Das Hazy Osterwald Sextett – Wieder Mal Paschanga ‎(7″, Single, Mono)  

E'Vero (Audrey Arno 3) ‎(7", EP, Mono)
E’Vero (Audrey Arno 3) ‎(7″, EP, Mono)

L’homme Et La Femme ‎(7", EP)
L’homme Et La Femme ‎(7″, EP) 

1962年

La Bosse À Nova (Audrey Arno 5) ‎(7", EP)
La Bosse À Nova (Audrey Arno 5) ‎(7″, EP) 

Toute Ma Vie ‎(7", EP)
Toute Ma Vie ‎(7″, EP) 
La Bosse À Nova ‎(7″, Single) 

1963年

Bitte, Bleib' Doch Bei Mir
Bitte, Bleib’ Doch Bei Mir 

Comme Je T'Aime ‎(7", Single)
Comme Je T’Aime ‎(7″, Single)

Tu M'as Manqué Chéri ‎(7", EP)
Tu M’as Manqué Chéri ‎(7″, EP)

Mulero Bossa Nova ‎(7", Single)
Mulero Bossa Nova ‎(7″, Single) 
Tu M’as Manqué Chéri/Partez Tous Mes Amis ‎(7″, EP)
Le Mal De Leurs Vingt Ans ‎(7″, Single) 

Le Mal De Leurs Vingt Ans ‎(7", EP)
Le Mal De Leurs Vingt Ans ‎(7″, EP) 

1964年

Quand Tu Me Fais La Tête ‎(7", EP)
Quand Tu Me Fais La Tête ‎(7″, EP)

1965年

Prima O Poi / Più Amici Diventiamo
Prima O Poi / Più Amici Diventiamo 
Au Bon Vieux Temps Des Chercheurs D’Or ‎(7″, Single) 

Prima O Poi ‎(7", EP)
Prima O Poi ‎(7″, EP) 

Les Amours D'Artistes ‎(7", EP)
Les Amours D’Artistes ‎(7″, EP) 

Alto Come Me / Perchè Fai Così ‎(7")
Alto Come Me / Perchè Fai Così ‎(7″) 

Je Sais Qu'Un Jour + 3 ‎(7", EP)
Je Sais Qu’Un Jour + 3 ‎(7″, EP)

Des Roses Rouges Pour Un Ange Blond (Red Roses For A Blue Lady) ‎(7", EP)
Des Roses Rouges Pour Un Ange Blond (Red Roses For A Blue Lady) ‎(7″, EP) 

Si Dice Sempre Sono Giovani (Le Mal De Leurs Vingt Ans) ‎(7")
Si Dice Sempre Sono Giovani (Le Mal De Leurs Vingt Ans) ‎(7″)

Audrey* / Anna Identici - Ben Tornanto A Casa / Il Ragazzo Dal Bacio Facile ‎(7", EP)
Audrey* / Anna Identici – Ben Tornanto A Casa / Il Ragazzo Dal Bacio Facile ‎(7″, EP)

1966年

Flamingo ‎(7", EP)
Flamingo ‎(7″, EP) 

Quattro Piccoli Soldati ‎(7")
Quattro Piccoli Soldati ‎(7″) 

1967年

Op - Là ‎(7")
Op – Là ‎(7″) 

1968年

Sur Les Ailes de L'amour ‎(7")
Sur Les Ailes de L’amour ‎(7″)
C’est ici que je descends / sur les ailes de l’amour ‎(7″)

1969年

Quand Jean-Paul Rentrera ‎(7", Mono)
Quand Jean-Paul Rentrera ‎(7″, Mono) 

Si J'Aime Vivre / La Rivière / Quand Jean-Paul Rentrera / Ce Soir Mon Coeur Est Amoureux ‎(7", EP)
Si J’Aime Vivre / La Rivière / Quand Jean-Paul Rentrera / Ce Soir Mon Coeur Est Amoureux ‎(7″, EP) 

1970年

Audrey Arno, Virginia Vee – La Tour Eiffel S’amuse / The Day That The Rain Came Down ‎(7″, EP) 
Audrey Arno, Michel Delpech – La Tour Eiffel s’Amuse ‎(7″, EP) 
Audrey Arno / Gougoush* – Chante ‎(7″)
Audrey Arno / Nicole Croisille – La Tour Eiffel S’Amuse / Toi Sans Moi ‎(7″)
Audrey Arno, Max Fournier – La Tour Eiffel s’Amuse / Les Mouettes et La Mer ‎(7″, Single) 
Audrey Arno, Nancy Holloway – La Tour Eiffel S’amuse ‎(7″, EP, Promo) 
Audrey Arno, Albert Raisner – La Tour Eiffel S’amuse/Si J’aime Vivre/Doina-Hora ‎(7″, EP) 

1971年

Ich Bin Kein Kind Von Traurigkeit ‎(7", Single)
Ich Bin Kein Kind Von Traurigkeit ‎(7″, Single) 

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