Marie Rottrová – 千の顔の恋(Tisíc Tváří Lásky)【編集盤】

Marie Rottrová - 千の顔の恋(Tisíc Tváří Lásky)【編集盤】
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マリエ・ロトロヴァー( Marie Rottrová)のタイトルにある副題“チェコのLady Soul”は、当時、アメリカで絶大な人気を誇っていたアレサ・フランクリン(Aretha Franklin)になぞらって、ヤロミール・トゥーマ(Jaromír Tůma)が初めて、メロディー5/1965(Melodii 5/1969)のメンバー紹介で、マリエ・ロトロヴァーに対して使った言葉だ。

確かに、この編集盤CDは、マリエ・ロトロヴァーの回顧コレクションの第3弾として、私の考えでは、この特徴的な歌手であった彼女の、歌手生活の中で一番幸せで良かった時代、そして、ソウルミュージックが一番良かった時代を総括できる。

1960年代に歌いはじめてから、全歌手生活に渡って、彼女の魂の籠った歌は、赤い糸のように現在まで繋がっている。

この19曲入りの編集盤は、外国の曲を作り替えた、例外的な2曲も入っている。

タイトルになっている最初の曲“千の顔の恋(Tisíc tváří lásky)”、 チェスワフ・ニェメン(Czeslaw Niemen)作詞の“あなたには小さなこと(Je ti to málo)”、そして、先に述べたアレサ・フランクリンのレパートリーから“戦いの後の風景(Krajina po bitvě”)”、レイ・チャールズ(Ray Charles)で有名な“みんな…と知っている(Kdekdo ví, že)”という、素晴らしいカバー曲も聞ける。

ペトル・ニェメツ(Petr Němc)とは、ヤロスラフ・ウィクレント( Jaroslav Wykrent)の見事な歌詞が付けられた“奇妙な恋(Jaká zvláštní láska)”と“眼(Oči)”でデュエットした。70年代80年代からは、ナタリー・コール(Natali Col)がグラミー賞を2度も受賞した“そうならなければ(Má se stát)” や、オリジナルがダイアナ・ロス(Diana Ross)の“Upside Down”である、 大ヒット曲“少な目に(Vytahuj se radši míň)”も入れられている。

更に、大ヒット曲“エクスプレス天の川(Expres mléčné dráhy)”、そして、 グロリア・ゲイナー(Gloria Gaynor)のディスコヒット“恋を止めるのは愚かな人だけ(Jen hloupí lidé se loučí s láskou)”も、収録されている。

間違いなく、一番価値が認められている曲は、イジナ・フィケイノヴァー(Jiřina Fikejzová)によって美しい歌詞の付けられた、チェコ語バージョンの、“誰が好き(Kdo má rád)”である。

彼女がこの曲を解釈して歌ったことで、イジー・チェルニー(Jiří Černý)が評論したように、ソウルは彼女の第二の母国語だ、と称されるようになった。

ところで、この曲のオリジナル“Call me”は、アレサ・フランクリンが1970年に歌っており、アメリカのソウルランキングのトップ、そしてポップカテゴリでは13部門でトップだった。

マリエ・ロトロヴァーは、この魂の曲を、11年後のアルバム『1番の男(Muž č.1)』に入れた。

同じアルバムに、人気の曲“今がチャンス(Teď právě máš svou šanci)”と“混乱(Tobogán)”もあり、2曲とも、アメリカのR&Bカップル、アシュフォード&シンプソン(Ashford & Simpson)の曲だ。

チェコの曲としては、 デジョ・ウルシーニ(Dežo Ursíni)とミロスラフ・チェルニー(Miroslav Černý)が作った“あなたは私を知らない(Nevíš jaká jsem)”がある。

この曲は、元々は、スロヴァキアの歌番組、『プリンセスを奪わないで(Neberte nám princeznu)』から出てきた曲。2曲目は、ラデク・パストルニャーク(Radek Pastrňák)、今日ではグループButyのスターでもあるが、彼とのデュエット曲、“向いの窓(Okno naproti)”である。

チェコの作曲家たちが、それなりに質の高い曲を彼女に提供できたにも拘らず、このアルバムにチェコの曲が、少ししか入っていないのが残念だ。

例えば、R.コヴァルチーク(R. Kovalčík)とJ.ウィクレント(J. Wykrent)の“恋の鐘(Zvon lásky)”や、セメレク( Semelek)とヴォルボフ(Vrbov)の“もし、私しかこれを知らないなら(Když tohle vím jen já)”や、成功者コジーネク(Kořínek)とチョルト(Čort)の“私はただのあなたの影(Já jsem jen pouhým stínem tvým)”、若しくは、クチャイ(Kučaj)の“こんなおかしなゲーム(Takové divné hry)”などが、彼女のチェコ曲だ。

私の考えでは、このアルバムの選曲では、マリエ・ロトロヴァーを、あまり上手く表現できていない。

勿論、たった一つのCDに、ソウルの全てを詰め込むのは不可能である。彼女のソウル曲は、とりわけ、先に出された『フラミンゴ(Flamingo)』にも入っているし、他にもCD『周りを歩く人たち(Ty, kdo jdeš kolem)』にも数曲入っている。

他にも紹介すると、“永久機関(Perpetuum mobile)”、“ミスター・マン(Pan muž)”、それとも、オリジナルの英語で歌った“Nutbush City Limits”、または1960年代の曲“Restless”、S.フラニツェク(S. Hranicek)とのデュエット“あなたの近く(Blíž k tobě)”、それとも、アレサ・フランクリンの曲のカバーバージョン“Think”や“苦い恋の讃美歌(Žalm za hořkou lásku)=I never loved a man the way I love you”がある。

もし、制作担当のフランチシェク・リフタジーク(František Rychtařík)が、私たちの “Lady Soul”の作品を、きちんとCDに収録してくれたなら、ほんの少し頑張ってくれていたら、質の高い編集盤になっていただろうに。

これが年代で区切って作られたアルバムであったら、ソウル曲が長年の間に進化していることが分かり、そこに価値があったかもしれない。このアルバムは、どこか中途半端なのである。

出典:marierottrova.cz

【曲目】

  1. “千の顔の恋(Tisíc tváří lásky)”
  2. “奇妙な恋(Jaká zvláštní láska)”
  3. “エクスプレス天の川(Expres mléčné dráhy)”
  4. “眼(Oči )”
  5. “あなたには小さなこと(Je ti to málo)”
  6. “雨が降り始めた(Začlo lejt )”
  7. “あなたのもとへ戻る(Já se ti vracím)”
  8. “みんな…と知っている(Kdekdo ví, že…)”
  9. “誰が好き(Kdo má rád)”
  10. “戦いの後の風景(Krajina po bitvě)
  11. “そうならなければ(Má se stát)”
  12. “向いの窓(Okno naproti )”
  13. “混乱(Tobogán)”
  14. “男はみんな同じ(Muži jsou stejní)”
  15. “戦争はダメ!(Válku ne! )”
  16. “今がチャンス(Teď právě máš svou šanci )”
  17. “少な目に(Vytahuj se radši míň )”
  18. “あなたは、私を知らない(Nevíš, jaká jsem)”
  19. “恋を止めるのは愚かな人だけ(Jen hloupí lidé se loučí s láskou)”

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