マルタ・クビショバー(Marta Kubišová)- タイガーブルース(Tajga blues)シングル集5

マルタ・クビショバー(Marta Kubišová)- タイガーブルース(Tajga blues)シングル集5
評価投稿数: 0
0

マルタ・クビショバーのシングル集の最後となるのは、 2枚組アルバム『タイガーブルース(Tajga Blues)シングル集5』である。

録音されてから30年以上経ってからの発売となった。

選曲は、1969年からと1970年の前半からである。

1970年2月3日に、当時、チェコアーティストのコンサート開催企画を独占していた「プラゴコンツェルト(Pragokoncert)社」が、マルタ・クビショバー以外のゴールデン・キッズのメンバー、ヘレナとヴァシェクに対しても、彼らが共同活動を拒否したという形にはなっていたが、コンサートの開催を禁止した。

このことが起きた後にも、3枚のシングルが出たことについては、スプラフォン社の音楽関係者が、マルタにしかない歌の才能を認めていたとうことで、称賛に価する。

もし、マルタが歌手活動を禁止されていなかったら、どれ程素晴らしい曲が生まれていただろうと思うが、それも今となっては意味がないことだ。

大半の曲は、ゴールデン・キッズのオーケストラを率いていたヨゼフ・ヴォブルバ(Josef Vobruba)が録音した。

他のコンパイルも同様に彼が行っていた。曲を聴いたら分かるが、当時のエリート作詞家たちが作った歌である。一枚目のCDに入っている最初の12曲は、聴き応えのある曲だ。

4つのカバー曲のうちでは、元々はクロアチア曲である⑥“アディオ(Addio)”と⑪“夏はもう隠れてしまった(Už se léto schovává)”が、私は気に入っている。 ①“タイガーブルース69’(Tajga blues 69’)”や③“私は表情を変えないでいる(Já tu s tváří neměnnou)” も、彼女がテレビやラジオから姿を消すことになった原因の曲だ。

それらは、エリート歌手たちが、もう誰も歌う勇気のなかった曲らであった。次に私が衝撃を受けたのが、ハリー・マツォウレク(Harryho Macourka)による2曲で、その内の1曲“愛を脱ぎ捨てる(Lásku svlíkám)”では、後半の楽器演奏が物凄くワクワクするのだ。

ブラスバンドの演奏者たちは、チェコの本物のソウルミュージックを見せている。

マルタ・クビショバーの楽曲がヘレナとヴァシェクと一味違うのは、マルタの曲では、少しだけ多めに楽器演奏に力が入っているのだが、それだけで曲の重みがかなり違ってくるのだ。

ギター演奏のオタ・ペトジナ(Ota Petřina)やキーボード演奏のペトル・フォルマーネク( Petr Formánek)は、ハンモンディ(Hammondy)との歌②“伝説(Legendy)”や2枚目④“何気なく(Jakoby nic)”で、上手いソロを見せている。ヴォブルバのオーケストラが使われていない3曲の音で、それが分かる。

(2曲は映画『ミリオンをどうやって盗むか(Jak se krade milion)』からで、1曲は、ヴラジュド・・Ing. チェルト(Vražd Ing. Čert)の映画で使われた 美しいバラード曲⑮“雪男(Sněžný muž)”であり、これらは映画の録音がそのまま使用された)

最後の4曲は、ドイツ語で歌いなおされた曲だ。ドイツ語ではいかに歌いにくいということと、西ドイツのポリドール社がマルタの絶大な人気を認めていたたことを示し、マルタ人気がチェコだけでない事を証明していた。

2枚目のデスクには、マルタが録音に間に合った最後の7曲が入っている。スプラフォン社が、1970年6月17日、マルタの最後の3曲を出した。⑤“ハーレ・クリシュナ(Hare Krišna)”のリメイク、⑥“29世紀に(Ve století dvacátém devátém)”、そして、オンドラーチェクのバラード⑦“君の家はどこだい(Kde máš svůj dům)”(マルタは、彼とデュエットもしている)では繊細なギター演奏がされている。

素晴らしい演奏の①“まだ生まれていない子供への子守歌(Ukolébavka pro nenarozené děti)”や、次なる美しい曲③“あなたはママの良い息子だった(Tys bejval mámin hodnej syn)”は、パベル・キューン(Pavel Kühn)のコーラスも入っている。

彼とは、マルタは他の曲でも一緒に歌っている。当時、“何気なく/ハーレクリシュナ”のシングルは、生産され配布される準備が出来ていたが、結局、それらは廃棄され、隠しコピーされた数枚だけが残った。次なるシングルは、もうカタログ番号すら用意されなかった。

(ライナーノーツの筆者は、一度も歌われたことのない幻の曲“5時のお茶(Čaj o páté)”について言及していた。)

2枚目デスクの最後の6曲は、ヤロスラフ・フツカ(Jaroslav Hutka)のギター演奏で、マルタがモラヴァ民族のバラードを歌っている。スウェーデンで出されたLPデスク『第2の文化で禁じられた歌手(Zakázaní zpěváci druhé kultury)』に、曲は入っていた。このコンピレーションに入っている歌らは、チェコで起きたことを、無関心に放っておかなかった事が分かる。

彼女の声色は、とても悲しく、そして少し粗っぽいところが、更に感情をよく表していた。

Stb※が、音楽業界のトップにまで捜査の手を伸ばしたことが、マルタがその後20年間も全く公の場から姿を消したことが教えてくれた。

※Stb
Státní bezpečnost の略。1945年から置かれた、政治警察。当時の共産主義に反する運動を行う者を取り締まった。

出典:cabik

【曲目】

1-1. Tajga Blues ˈ69
1-2. Legendy
1-3. Já Tu S Tváří Neměnnou
1-4. Pojďte, Pejskové
1-5. Kdo Ti Radu Dá
1-6. Addio
1-7. Oči Měl Netečný
1-8. Všechny Bolesti Utíši Láska
1-9. Pár Metálů
1-10. Svlíkám Lásku
1-11. Už Se Léto Schovává
1-12. Tvůj Nůž Tvůj Krém Tvůj Růženec
1-13. Kdo Vynalezˈ
1-14. Čekám
1-15. Sněžný Muž
1-16. Wie Ein Fernruf
1-17. Dein Schiff Kommt Wieder
1-18. Die Sonne Ist Schön
1-19. Mach Musik Für Mich
1-20. Taiga Blues

2-1. Ukolébavka Pro Nenarozené Děti
2-2. Ten Druhý V Nás
2-3. Tys Bejval Mámin Hodnej Syn
2-4. Jakoby Nic
2-5. Hare Krišna
2-6. Ve Století Dvacátém Devátém
2-7. Kde Máš Svůj Dům
2-8. Svatý David
2-9. U Našeho Jezera
2-10. Kříž
2-11. Starala Se Máti Má
2-12. Pijan Vajda
2-13. Modlidba Pro Martu

マルタ・クビショバー(Marta Kubišová)- タイガーブルース(Tajga blues)シングル集5の口コミ

感想を追加する


Submit your review
*必須項目です

関連記事とアーティスト

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

感想を追加する


Submit your review
*必須項目です

関連記事

1968~1969 Helena Vondráčková - To se nikdo nedoví

1968~1969 Helena Vondráčková - To se nik...

1979 Marie Rottrová - 周りを歩く人たち( Ty, kdo jdeš kolem)

1979 Marie Rottrová - 周りを歩く人たち( Ty, kdo ...

Marie Rottrová ‎– Všechno Nejlepší

2003 Marie Rottrová - ご多幸を祈ります(Všechno n...

1970 Heleny Vondráčkové - Ostrov Heleny Vondráčkové

1970 Heleny Vondráčkové - Ostrov Heleny ...

マルタ・クビショバー(Marta Kubišová)- 祈り(Modlitba)シングル集4

マルタ・クビショバー(Marta Kubišová)- 祈り(Modlitba)...

1969 Marta Kubišová - Songy a balady

1969 Marta Kubišová - Songy a balady